研究課題/領域番号 |
19K22125
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
福間 剛士 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (90452094)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡(AFM) / 原子間力顕微鏡 / ナノ内視鏡 / 細胞内計測 / 細胞観察 / がん / 3次元AFM |
研究開始時の研究の概要 |
生きた細胞の内部にナノプローブを挿入し、内部の構造や動態をナノレベルで直接観察できる「ナノ内視鏡技術」を開発する。さらに、開発した技術を用いて、骨芽細胞が骨形成する過程において、細胞内で生じるナノ動態を直接可視化し、その生命科学分野における有用性を実証する。原子間力顕微鏡(AFM)は、液中で、非染色で、細胞やタンパク質のナノ動態を直接可視化できる唯一の計測技術である。しかし、従来のAFM技術では細胞内部のナノ動態までは観察できない。本研究によりナノ内視鏡技術が開発できれば、細胞内部におけるナノスケールの動態を直接見て理解することが可能となり、生命科学分野に大きな革新をもたらすことができる。
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研究成果の概要 |
生細胞内部でナノ構造・動態を計測できるナノ内視鏡技術を、原子間力顕微鏡(AFM)を基盤として開発した。この技術では、ニードル探針を細胞内を含む3次元空間内で走査し、その間に探針に働く力を記録することで細胞内構造を可視化する。さらに、細胞内に探針を挿入し、そこでAFM観察を行うことで、細胞内の局所構造やその動態を、ナノレベルの分解能で観察できる。また、これらの計測が、細胞に致死的なダメ-ジを与えないことを蛍光アッセイにより確認した。この技術により、従来観察できなかった細胞内現象を直接観ることが可能となり、細胞機能の発現機構に関する理解が進むものと期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、従来技術では観られなかった生細胞内部のナノ現象が観察できるようになる。これにより、従来間接的な計測結果から予想されてきた細胞内現象の発現機構やそれが関係する疾患の機序を直接観て確認できる。また、従来、細胞外での再構成系で多数のAFM計測が行われてきたが、それが本当に細胞内で生じているのかは、しばしば疑問視されてきた。これらの現象を直接細胞内で観察できれば、過去に報告されてきた膨大な量のAFM実験結果に関して、この疑問に対する解答を与えられる。こうして明らかになった細胞機能や疾患機序の理解は、将来、創薬・医学の発展を通じて、人類の健康増進に寄与することが期待される。
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