研究課題/領域番号 |
19K22132
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
中嶋 宇史 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 准教授 (60516483)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 赤外自由電子レーザー / パルスレーザー堆積法 / アブレーション / 薄膜 / 有機薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、無機材料において実績のあるパルスレーザー堆積法を有機材料の分野にも発展させ、新たな材料創出に関する先駆的結果を得ることを目的としている。特に高分子系の有機材料においては塗布法による成膜が主流であり、分解反応を伴う物理蒸着法は多くは用いられていない。ここでは、波長可変・短パルス発振が可能な赤外自由電子レーザーに注目し、有機物を破壊することなく機能性を有した構造の制御に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究は、赤外自由電子レーザー(Free electron laser: FEL)を光源とした新たなパルスレーザー堆積法を確立し、有機物薄膜を高品質に成膜させる技術を創出することを目的に進められた。ターゲットを設置したチャンバー内に赤外自由電子レーザー光を導入し、薄膜を形成する実験を行った。照射波長および照射時間を系統的に変えながら、アブレーション条件下で成膜を行ったところ、平均膜厚100nm以下の有機薄膜を形成することに成功した。FELを用いたパルスレーザー堆積法による成膜が可能であると結論づけるとともに、その成膜のための諸条件を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化物や金属薄膜の成膜において、エキシマレーザーやNd:YAGレーザーを光源としたパルスレーザー堆積法が用いられ、結晶性が精緻に制御された高品質膜が得られることが知られている。一方で、同手法を有機物に対して用いた場合、分子構造を破壊することなく成膜することは極めて困難である。そこで本研究では、赤外自由電子レーザーを光源とした新たなパルスレーザー堆積法を確立し、有機物薄膜を高品質に成膜させる技術を創出することを目的とした実験を推進した。その結果として、本手法が有機物の成膜において有効であることを確かめることができた。
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