研究課題/領域番号 |
19K22136
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
山本 和生 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主席研究員 (80466292)
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研究分担者 |
穴田 智史 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 上級研究員 (40772380)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 電子線ホログラフィー / レーザー / 光干渉 / 電場 / 半導体 / エバネッセント光 / 光定在波 / 干渉 / 光 |
研究開始時の研究の概要 |
光は,電場と磁場が直行して進行する横波であり,写真フィルムの感光や太陽電池などは,主に光波の電場成分が寄与していると言われている.しかし,その相互作用を直接可視化されたことは皆無である.本研究では,ナノ領域の電場分布を高感度に観察できる位相シフト電子線ホログラフィーを用いて,光波の電場を直接的かつ定量的に可視化する画期的な電子顕微鏡法の開発を行う. TEM内に固定した材料に可視光レーザーを照射し,試料中に形成した光定在波の電場を定量的に可視化する.これにより,光と材料における相互作用の量子論的な解明に繋がり,物理・材料・生命科学に至るまで幅広い研究分野に影響を与える挑戦的な研究を行う.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,位相シフト電子線ホログラフィーを用いて,光の電場や,光と物質の相互作用を観察できる基本技術を開発することである.300 kV透過型電子顕微鏡に光を導入するための技術開発を行った.既有の特殊光導入試料ホルダーにキセノンランプを導入し,ZnOナノワイヤーやGaAs p-n接合の試料に光を照射しながら,ホログラフィー計測を行い,電位分布の変化を観察することに成功した.また,光の電場を観察するために,観察領域に光干渉をさせるための特殊光干渉試料ホルダーを設計・製作した.レーザーの出力が弱いため,光干渉を確認することは困難であったが,今後に必要な課題を抽出することはできた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光は電場と磁場が直交する電磁波である.光の電場や磁場が,物質とどのように相互作用するかは不明な点が多く,その様子を直接的に実験で観察できる手法が確立すれば,光による反応現象を明らかにできる.本研究では,光照射電子線ホログラフィー技術を確立することによって,半導体による光起電力効果を可視化することに成功した.カーボンニュートラルの実現に必要な太陽電池などの高性能化に,この技術が寄与できると考えられる.また,光干渉現象の可視化を行うための技術開発も行った.多くの課題はあるものの今後の光を用いた物理の解明にも繋がると考えられる.
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