研究課題/領域番号 |
19K22138
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸田 泰則 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00313106)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光渦 / 時間分解分光 / 光の軌道角運動量 / カイラリティ / 光物性 |
研究開始時の研究の概要 |
光渦は光軸上に位相特異点を有し、そのカイラリティは波面の回転方向で決定される。本研究ではこの特異的な空間モードカイラリティに着目し、モード変換を利用した光波分離にもとづく全く新しい方式の時間分解分光を開発する。カイラリティの異なる同一次数の光渦対の光波分離を実現し、空間モード以外の全光学パラメータを自由かつ高精度に利用可能な時間分解分光を開発する。半導体および超伝導体試料の動的電子相関のダイナミクス観測を通してモード選択性の向上を図るとともに提案手法の有効性を実証する。
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研究成果の概要 |
光渦と呼ばれる空間モードに特徴をもつ光波の分離選択性を活用し、半導体面発光レーザーに対する空間位相変調分光と銅酸化物高温超伝導体に対する同軸時間分解分光を開発した。前者に対しては共振器の幾何学位相にもとづく空間モード変換を使って、らせん位相の方向(カイラリティ)を選択可能な光渦発振を実現した。後者に対しては光渦ビーム内部の強度暗点の空間走査により、暗点部に局在した過渡的超伝導の時空間制御を実現し、高温超伝導体の光学応答の空間的特徴を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
らせん状の波面を持つ光渦は、その特異的な空間モードカイラリティにもとづいて複数光波を分離したり重ね合わせたりできる。本研究ではそのような光渦の空間特性を時間分解分光に活用し、従来は不可能であった空間位相変調や時間変調、特異点走査を半導体レーザーおよび高温超伝導体に対して実現した。得られた成果はデバイス機能開拓や物性探索に対する光波の空間モードカイラリティ利用の有効性を示しており、光源開発やイメージング、ナノデバイス応用につながる。
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