研究課題/領域番号 |
19K22140
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 行章 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任講師 (30442924)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 角度分解光電子分光 / 仕事関数 / 表面分極 / 角度分解光電子分光法 / 円二色性 / 表面電子状態 / 非線形光学効果 / 第二高調波発生 / レーザー高調波 / 偏向依存性 / 表面光電効果 / 第2高調波発生 / 遠紫外 / 光電子分光 / 表面非線形光学 |
研究開始時の研究の概要 |
レーザーと光電子分光(PES)の技術融合に駆動される形で非線形光学と一電子励起の学理が融合し、表面科学に新しい視座をもたらす可能性が見えてきた。この学際領域は遠紫外域において興り得る。遠紫外光は「固体表面で反射や屈折をしながら光電子も放出できる」という特徴をもつ。ここでは表面分極と光電効果の協奏現象も予言されているが、遠紫外域のPESが未発達であること、また光と表面の多体効果がしばしば先験的に省かれることも手伝って、検証は手つかずである。近年、遠紫外PESを精緻にするポテンシャルをもつ高調波が次々と登場している中で、表面科学の新展開を見据えつつ、遠紫外光がその真価を発揮するための基盤を整える。
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研究成果の概要 |
(1)6 eVレーザー高調波光源を用いて仕事関数を未踏の1 meVを切る精度で捉える新原理を実証した。(2)時間分解光電子分光法を応用してフェムト秒域パルスに対する仕事関数の応答を測定した。仕事関数と表面分極を結びつけるモデルを導入し、表面分極の非線形感受率を見積もる新しい方法を提案した。(3)表面域の非線形光学応答を観る強力なツールである第2高調波測定装置を自作し、MoTe2表層におけるバルクハウゼン様の転移を観測した。(4)11eV円偏向レーザー高調波を用いて光電子の立体角分布の円二色性を調べ、円二色性パターンの点群による分類と波動関数の表面局在度を見積もる方法を系統的に議論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固体表面で反射や屈折もしながら光電子も放出することができる遠紫外域の光は、固体表層数Åの表面媒質と長波長近似を超えた複雑は相互作用をする可能性が1930年代から指摘されているが、この問題は全く手つかずと言っても過言ではなかった。本研究では固体表面の仕事関数を世界最高精度で測定したり表面分極の非線形感受率を求めたりする新手法を提示した。本成果により、表面分極と遠紫外域光の複雑な相互作用を解明するための足掛かりがえられた。
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