研究課題/領域番号 |
19K22149
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森谷 祐一 東北大学, 工学研究科, 教授 (60261591)
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研究分担者 |
椋平 祐輔 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (60723799)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | スロースリップ地震 / ゆっくり滑り / スロースリップイベント / AE / 微小地震 / スロー地震 / 低周波地震 / 貯留層 / 地熱開発 / 時間周波数解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ノイズに似た定周波の不明瞭な弾性波として観測される低周波イベントは,地下流体エネルギー開発分野でも観測される。低周波イベントはほぼ見過ごされてきた。 自然地震分野でのスロー地震学の理解の蓄積と,誘発有感地震等の本分野の深刻な問題を受け,低周波イベントの理解を通して,さらに貯留層内現象の深い理解が必要である。しかし,どの様なメカニズムとして低周波イベントが発生するかは理解されておらず,エネルギー開発工程との関連や,誘発有感地震との関連も分かっていない。よって,本研究では地下流体エネルギー開発でも観測される低周波イベントの物理現象解明とそれを用いた地熱貯留層計測法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
Groningenガスフィールドで計測された連続波形データを対象として解析を行い,十数イベントが検出された.震源深度がおよそ3kmと浅いと考えられにも関わらず,継続時間が30秒程度のイベントが含まれていた.震源深度が3km~5km程度の場合,き裂のせん断すべりは数ms,継続時間も数秒であることが一般的であることから,本解析で検出されたイベントは,通常のAEと比べてゆっくりとせん断すべりを起こすような発生メカニズムを有していると推定された.一方,対象フィールドの速度構造が比較的低速度の層から構成されていることもあり,Q値等を考慮した詳細な検討が必要であることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,地下流体エネルギー開発の分野で未知の現象とされてきた低周波地震の物理現象に正面から取り組む挑戦的な研究である。低周波イベントには明瞭なP波S波も存在せず,一般的な地震学の手法でその発生位置を探ることさえ難しい。低周波イベントの理解は,貯留層のより深い理解のみならず,新たな貯留層モニタリングの手法を確立することを意味する。従来は本分野の貯留層モニタリングは微小地震計測に頼ることが多かったが低周波イベントが,スロー地震と同様に大規模な地震の前駆現象であった場合は,本分野で問題となっている誘発地震の発生リスクの評価や予測等に用いることができる。
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