研究課題/領域番号 |
19K22152
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分31:原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 弘亨 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40343925)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 析出物 / 鉄鋼材料 / ジルコニウム合金 / 二層界面 / 照射効果 / 炭化物 / 酸化物 / 照射誘起 / イオン照射 / 鉄鋼 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄鋼材料は母相中の炭化物や酸化物などによる強化を図っている。最近の我々の研究により、この強化因子が照射下で不安定化して消滅する現象を明らかにし、原子炉や核融合炉の構造材料の性能劣化への影響を指摘している。現在の理解が定性的なものにとどまっていることから、本提案では、この現象の影響力の定量化を目的とする。そして、照射下における原子の流れ(拡散)を制御する照射技術を開発し、鉄基合金/炭化物(あるいは酸化物)二相界面に適用して、照射影響(界面移動など)を定量的に計測し、照射耐性の評価に資する知見としてまとめる。
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研究成果の概要 |
本プロジェクトでは、金属/析出物(酸化物、炭化物、金属間化合物)2層界面における新しい照射誘起型の固相反応現象の解明を目標とした。より精緻で定量的な理解を深めるため実験手法を開発し、特に微細組織の観点で定量的な評価法として確立することを目的とした。そして、鉄鋼中の酸化物微粒子およびM23C6型炭化物を対象とし、イオン照射実験と電子顕微鏡観察実験を用いて照射誘起不安定化現象を調査するとともに、照射誘起界面固相反応に関する新しい実験手法を開発した。そして、この現象のメカニズムが、母相中の照射欠陥を媒介として粒子界面において物質授受がなされ、粒子の構成原子が母相中に拡散することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉄鋼材料やZr合金中の析出物(炭化物、酸化物、金属間化合物)は、材料強化因子として機能するが、これらが原子炉環境に特有な照射下において不安定化することを明らかにした。この現象は原子炉の構成要素(構造材料、被覆管)の強度低下につながるものである。本研究成果はこの機構論を明らかにし、さらに定量調査を可能とする新しい実験方法を提案するものである。
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