研究課題/領域番号 |
19K22160
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 弘幸 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (00283664)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 準大気圧電子分光 / 低エネルギー逆光電子分光 / オペランド測定 / 伝導帯 / 低エネルギー逆光電子分光法 / 電子親和力 / 逆光電子分光 / 電子源 |
研究開始時の研究の概要 |
従来は超高真空でないと動作しなかった逆光電子分光法を大幅に改良し、準大気圧で測定できるようにするのが本研究である。中心となるのは電子源の開発である。通常の電子銃のカソードを酸化イットリウムに置き換え、これに差動排気装置を取り付けることで、準大気圧で動作する電子源を開発する。光検出器には、低エネルギー逆光電子分光装置にこれまで用いてきたものを採用する。これらを組み合わせることで、準大気圧での逆光電子分光を実現する。
|
研究成果の概要 |
半導体の特性は、電子の流れる空準位と正孔の流れる価電子準位で決定づけられる。これまで、これらの電子準位は超高真空中での電子分光法で測定されてきた。近年、デバイスの実際の動作条件に近い準大気圧での測定ニーズが高まっている。本研究の成果は、最も研究の遅れている空準位の準大気圧下での測定を実現するものである。ベースとなる手法は、代表者が開発してきた低エネルギー逆光電子分光法であり、低速電子を試料に照射し、この電子が空準位に緩和する際の微弱光を高感度検出する。低速電子は高真空でないと生成できないことから、差動排気槽を導入し準大気圧での測定を実現する。現在真空槽の製作を終え装置開発の最終段階にある。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
代表者が2012年に開発した低エネルギー逆光電子分光法は、近年発達してきた有機半導体や有機・無機ペロブスカイト材料など機能性材料の空準位を電子線照射による試料損傷なく精密に測定することを可能にし、現在では世界で電子状態の基礎研究や、有機太陽電池や燃料電池などのエネルギー関連の応用研究に利用されている。本研究の成果は、超高真空でしか測定できなかったこの手法を発展させ、準大気圧で測定可能にするものである。実際のデバイスの使用状況に近い状態での試料の観測やそもそも真空では不安定な蒸気圧の高い試料などの測定が可能になるなど、測定可能な試料の種類や状態を飛躍的に拡大することができる。
|