研究課題/領域番号 |
19K22164
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 北里大学 (2020) 東京工業大学 (2019) |
研究代表者 |
水瀬 賢太 北里大学, 理学部, 講師 (70613157)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 分子分光学 / レーザー化学 / フェムト秒化学 / クラスター化学 / 分子間相互作用 / 反応動力学 / 波動関数 / 画像観測 / 波束ダイナミクス / イオンイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、分子の超高速振動・回転波束運動をスナップショット的に画像化する申請者独自の技術を用いた新しい分子分光法を開発・展開する。新手法は分子運動における動的挙動を画像の時間変化として観測し、そのフーリエ変換から周波数領域の分光情報を抽出するものである。本手法により従来の周波数領域高分解能分光では研究が困難とされてきた永久双極子をもたない分子種の分光実験が可能になる。また、1台のレーザー光源による一度の実験で、広い周波数範囲の測定が可能となる。さらに、波束観測から得られる波動関数の情報をもとにしたスペクトルの帰属が可能な、新しい切り口からの分子分光法として展開が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、分子の振動や回転のダイナミクスを直接可視化することで、振動回転スペクトルの情報を抽出する、新しい分光法の開発と展開を目指した。具体的な成果として、まずダイナミクス観測のための高分解能・高精度イオンイメージング装置を完成させ、新規デザインのものとして国際誌に発表した。開発した装置を用いて、ファンデルワールス分子クラスターに対する振動回転波束観測を成功させた。観測した動画をもとに、高分解能分光データが取得可能となり、新しい分光手法として展開が期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子の性質を解明するための高分解能分子分光計測は、これまでおもに極性分子系のみが対象となってきた。また、測定波長範囲によって手法や装置を変える困難もあった。本研究で開発した手法は、イオンイメージングに基づく汎用的なものであり、非極性分子系を含めた測定が容易である。また、広帯域光源を用いることで、広い波長範囲の測定を一挙に可能とする。新たな手法によって、これまで測定できなかった分子系の性質解明が可能となり、分析技術として、また分子技術の発展にも寄与できるものと考えている。
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