研究課題/領域番号 |
19K22165
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
庄子 良晃 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40525573)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 元素置換 / 供与性π結合 / シクロブタジエン / 芳香属性 / Baird芳香族性 / 燐光 / ホウ素 / 窒素 / ポリアセチレン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ホウ素-窒素原子間に形成される供与性π 結合のエンジニアリングという観点から、(1)「無機シクロブタジエン(CBD) 」の機能化学の開拓に取り組むとともに、(2) 無機 CBD を前駆体とした「無機ポリアセチレン」の創製を目指す。供与性π結合の自在な操作を可能にする分子技術により、供与性π 結合の「形成を制限する」「方向を制御する」といったπ電子系の新たな制御技術開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、シクロブタジエン(CBD)の炭素-炭素結合を等電子的かつ分極したホウ素-窒素結合に元素置換したBN-CBD誘導体を合成し、その構造、光吸収・発光特性、および芳香族性を詳細に検討した。BN-CBD誘導体のB2N2四員環は基底状態で平面ひし形構造をとるが、三重項状態では非芳香族性の正方形構造をとることを理論計算によって明らかした。興味深いことに、BN-CBD誘導体は脱気条件下、室温で、溶液中において蛍光発光よりも量子収率の高い青色燐光発光を示すことを見出した。本研究成果は、含BN結合化合物の新たな側面を明らかにすると共に、機能性ヘテロ環状化合物の新しい設計戦略を提供するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、π共役化合物の基礎的な構造と性質にフォーカスしたものであるが、得られた成果は、励起三重項状態を効率的に生じさせたり、エネルギーの高い三重項状態を実現するための新しい指針を提供する。これらの性質は、π共役化合物を有機電子デバイスの部品として用いる上でも重要な要素である。本研究の知見を展開することで、高機能π共役化合物を合理的に設計するための新しい設計戦略へと繋がることが期待できる。
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