研究課題/領域番号 |
19K22166
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
大島 義文 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80272699)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | その場TEM観察 / リチウムイオン電池 / 歪み計測 / STEM / モアレフリンジ / モアレフリンジ法 / 走査透過電子顕微鏡 / イオン伝導 / 局所歪み |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イオンの出入りによって変化するわずかな格子間隔の変化を検出することで、サブ10nmという高い空間分解能でイオン分布や、表面・内部・欠陥など場所によって異なると予想されるイオン伝導速度の分布を得る手法、つまり、イオンの濃度や速度分布をシングルナノメートルスケールで可視化する手法を確立する。固体イオニクスの学術分野の発展に対し革新的変化をもたらそうとする挑戦的研究としての意義がある。
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研究成果の概要 |
本研究では、ABF-STEMのSMFイメージングにより、高速充放電中のLMOナノワイヤーにおける膨張収縮バンドの動きを検出した。このバンドは、同時に測定したサイクリックボルタンメトリー(CV)の電流ピーク後にのみ観測され、リチウムの輸送と強い相関があることが示された。膨張収縮バンド出現の前後で格子間隔が変化していないことから、Vegardの法則に基づき、膨張収縮バンドは高速充電プロセスにおいて単一相で移動するLi過剰バンドとLi欠乏バンドであると考えられる。この高速充電時のリチウム輸送挙動は、よく知られた平衡状態での拡散制限されたリチウム輸送と異なる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リチウムイオン電池の長寿命化などを目指す上で、リチウムイオンの動きを理解することが極めて重要である。本課題では、高い分解能を有する透過型電子顕微鏡をベースとした顕微的オペランド計測法を提案している。本研究は、STEMモアレフリンジ法から得られる局所的な歪み分布から表面・内部・欠陥など場所によって異なると予想されるイオン濃度や速度分布を高分解能で可視化する手法を確立しようとしている。この手法の確立により固体イオニクスの学術分野の発展に対して革新的変化をもたらそうとしている点に挑戦的研究としての意義がある。
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