研究課題/領域番号 |
19K22174
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
|
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
岩倉 いずみ 神奈川大学, 工学部, 教授 (40517083)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | フェムト秒レーザー光 / 極限的超短パルス光 / 振動励起 / フェムト秒パルスレーザー光 |
研究開始時の研究の概要 |
パルス内で光電場が1-2回しか振動しない極限的超短パルス光であり、かつ、分子振動周期よりも閃光時間が短い10-fsパルスレーザー光を照射すると、分子振動の位相と反応の位相を揃えた“コヒーレント分子振動励起反応”を誘起できる。誘起したコヒーレンスの消失を数ピコ秒間抑制できるという特徴がある、この“コヒーレント分子振動励起反応”を利用して、光反応とも熱反応とも異なる新反応を開発する。
|
研究成果の概要 |
有機分子の分子振動周期よりも閃光時間が短いサブ10-fs光を用いると、振動位相を揃えて(コヒーレントに)ラマン活性な分子振動を励起できる。その結果、分子振動位相が揃った反応が誘起され、反応も反応位相を揃えた状態で進行する。本研究では、コヒーレント分子振動励起を応用することで、ビアントリルの光反応制御を検討した。まず、ビアントリルの光励起後の動的過程を可視化した。さらに、二段階励起によりビアントリルの解離反応を誘起した結果、二パルス間の時間差に依存して、解離生成物の生成量が変化した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レーザー光の特徴を活かした化学反応制御は新しい研究分野になり得ると、半世紀以上に渡り様々な研究がなされてきた。本研究では、有機分子の分子振動周期よりも閃光時間が短いサブ10-fs光を用いる「コヒーレント分子振動励起」を応用することで、ビアントリルの光反応を制御した。数年、もしくは十数年後、さらにサブ10-fs光が安定化し、レーザー光の専門家以外でも日常的に扱えるようになった暁には、レーザー光の特徴を活かした化学反応制御が合成手法の一つとして利用されることを期待する。
|