研究課題/領域番号 |
19K22179
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺尾 潤 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00322173)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 超分子化学 / カテナン / テンプレート合成 / ポルフィリン / シクロデキストリン / ロタキサン / 機能性共役分子 / 共役分子 / 金属サレン錯体 / サイクリックボルタンメトリー / 拡張π共役分子 / 電子移動速度 / ラダー型分子 / ポルフィリンチューブ / ラダー型ポルフィリン / 電荷輸送特性 / 電荷移動度 / 導電性高分子材料 / 集積型ポルフィリン / テンプレート分子 / 導電性高分子 / 有機半導体材料 |
研究開始時の研究の概要 |
軽量,フレキシブル,印刷可能など様々な特徴を有する共役分子半導体材料における最大の課題は,電荷輸送性能が無機材料と比較可能なレベルに達していないことである。その最善の解決策は,共役分子鎖の主要な電荷輸送経路であるホッピング伝導をより高速なバンド伝導型へと導くことであり,電荷輸送における格子振動に伴う散乱を支配・制御するための斬新な共役鎖の構造設計が不可欠である。そこで,本研究では分子鎖の熱統計物理化学理論として提案され,現在も深化し続ける下記のFlory-Huggins理論の支配方程式を今一度見直し,共役軸のコンフィグレーションエントロピー(熱的ゆらぎ)の抑制による電荷移動度の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、二つの環状Znポルフィリンダイマーと一つの環状Ruポルフィリンダイマーからなる[3]カテナンを合成し、Zn及びRuポルフィリンと窒素系配位子との配位結合を活用することで、環状分子の運動性に対する多状態制御の実現を目指した。その結果、環状Znポルフィリンダイマーの内部空孔に、二座配位子である1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)を介してRuポルフィリン誘導体が貫通した構造を持つ[3]カテナン1の合成に成功した。得られた1は配位結合を介して、構成要素となる全ての環状分子同士が連結しており、環状分子の運動性が大きく制限されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
[3]カテナン中における環状Znポルフィリンダイマーの独立した運動性が異なる三つの超分子構造のスイッチングを達成した。また、[3]カテナンの異なる超分子構造間での発光特性を比較したところ、超分子構造のスイッチングに付随して環状分子間の光誘起電子移動の効率が変化し、その結果、蛍光強度が調整可能であることを見出した。従って、[3]カテナン中のポルフィリンに対して配位点の数の異なる配位子を適切に錯化させることにより、環状分子の運動性の制御を伴う超分子構造のスイッチングが物性の制御にも繋がることを明らかにした。
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