研究課題/領域番号 |
19K22181
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 豊 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00334243)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | メカノクロミズム / クロミック分子 / 平衡 / 熱力学 / 有機半導体 / 含浸 / 変色分子 / 原子間力顕微鏡 / 平衡定数 / 熱力学的パラメータ / ナノインデンター / 押圧 / 原子力間顕微鏡 / フルオレン / アクリダン / 電荷移動遷移 |
研究開始時の研究の概要 |
外部刺激に応答する新しい有機半導体を創出する.具体的には,押したり曲げたりすることにより,電気伝導度や色が変わる有機半導体を創製する.本研究では,挑戦的な課題として,N-フェニルフルオレニリデン-アクリダンを用いて,力により電荷移動度を変化させる有機半導体の学術的基盤を確立する.アクリダン部位をもつ混みすぎたアルケンを系統的に合成し,薄膜状態での電荷移動度を評価し,さらに薄膜に力学的応力を加えて立体配座構造を変えた後の電荷移動度も評価する.これにより,応力により移動度が向上する新しい有機薄膜デバイスを開発する.
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研究成果の概要 |
フルオレニリデン-アクリダンの2つの配座異性体の平衡について,アレニウスプロットから熱力学的パラメータを決定した.フルオレニリデン-アクリダンを有機半導体として用いたペロブスカイト太陽電池において,フルオレニリデン-アクリダンを用いないとき(17.0%)に比べ,用いた場合ではエネルギー変換効率が19.1%に向上した.ナノインデンターとケルビンプローブ原子間力顕微鏡を用いて,押圧により変わる電位差の変化をみることにより,圧力の数値を知ることが可能になった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
押したり曲げたりすることにより電気伝導度や色が変わる有機半導体を用いて,高分解能で繰り返し使用可能な圧力測定フィルム,クロミック塗料,色も変わる圧電デバイスなど,新しい製品が生まれる可能性がある.見た目の色(吸収色)が変化するメカノクロミズムは本系が唯一であり,垂直の圧力で色が変わるデバイスも唯一のものである.我が国の独創性のある研究を,新産業の創出に繋げたい.
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