研究課題/領域番号 |
19K22183
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 分子科学研究所 (2020) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
瀬川 泰知 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 准教授 (60570794)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 機械的結合 / カテナン / ノット / スピロシラン / 分子トポロジー / メカニカル結合 / トポロジー |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、2つの輪が幾何的に連結したカテナン、1つの輪の中に1つの棒が通ったロタキサンの2種類の機械的結合が知られている。しかし、これら機械的結合をもつ化合物の合成には大きな問題点がある。カテナンやロタキサンには大員環が必須だが、大員環形成反応は常に多量化反応と競合する。本研究では、「カテナンでもロタキサンでもない第3の機械的結合」について、その存在の実証および応用展開を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、新たな原子配列、新たな様式をもつ機械的結合の合成法の開発を目的として研究を行った。これまで合成上の制約で実現しなかった「全てが芳香族炭化水素でできた機械的結合」の創製を研究の軸とし、新たな機械的結合の合成法の開発およびそれを用いた新規カテナンの合成と物性解明の研究を実施した。ケイ素を用いたテンプレート法の開発を鍵として、全てベンゼン環からなるカテナンおよびノット分子の合成に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、複雑な幾何学構造をもつ芳香族化合物の合成に向けた大きな一歩となる。結び目や絡み目といった幾何学構造を炭素骨格のみで作ることが可能になったことで、芳香族化合物の構造多様性をさらに広げることができる。また、機械的結合は分子機械に欠かせない部分構造であることから、分子機械の設計自由度を大きく上げることにつながる。カテナンの2つの環の間でのエネルギー移動過程やノットの溶液状態における動的挙動や円二色性を実験的に明らかにしたことで、複雑な幾何学構造がもたらす構造的・電子的性質について新たな知見を得た。
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