研究課題/領域番号 |
19K22189
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
千田 憲孝 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (50197612)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 全窒素糖 / 連続的Overman転位 / 多重シグマトロピー転位 / 連続多重シグマトロピー転位 / 細胞毒性 |
研究開始時の研究の概要 |
アルドースの水酸基をすべて窒素に置換した糖(全窒素糖と呼ぶ)は、天然には存在しないが、アルドースと同様のコンホメーションを有し、また窒素原子は強固な水素結合のドナー/アクセプターとして働くことが期待される。よって全窒素糖ならびに全窒素糖含有化合物はノジリマイシンやカナマイシンなどと同様に強い生物活性を示すことが予想される。また分子触媒やキラルリガンドとしての機能も期待される。本研究では、連続的多重Overman転位による窒素導入により、炭素数5の全窒素ペントースならびに炭素数6の全窒素ヘキソースを短工程で合成し,それらの生物的ならびに化学的機能を探索する。
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研究成果の概要 |
糖の水酸基をすべて窒素に置換した糖(全窒素糖と呼ぶ)を、連続的多重Overman転位を利用して短工程で合成する経路を開発した。炭素数5、炭素数6の全窒素糖の合成と生物活性評価により、以下の成果を得た。1) D-ガラクトースをペンタキスイミデートへ導いた。これを加熱すると連続的なOverman転位が起こり、五重転位体を与えた。転位体はD-グルコフラノース型全窒素糖へ誘導することができた。この方法論により9種類の全窒素糖を合成した。2) 合成した全窒素糖ならびにその誘導体の生物活性を検定し、アラビノ型全窒素糖にコレステロールを結合させた誘導体が、ヒトがん細胞に対し細胞毒性を示すことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、全窒素糖を世界に先駆けて合成することに成功した。入手容易な単糖(グルコース、アラビノースなど)から合成したアリルポリオールに連続的多重Overman転位を施すことにより、効果的に糖の水酸基をアミノ基に変換し、短工程で全窒素糖を合成する経路を確立した。合成した全窒素糖の誘導体がヒトがん細胞に対し細胞毒性を示すことを見出し、新規有用物質の創成に資することができた。
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