研究課題/領域番号 |
19K22190
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分33:有機化学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
川崎 常臣 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 教授 (40385513)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 同位体不斉 / ストレッカー合成 / 不斉増幅 / 不斉合成 / 不斉の起源 / アミノ酸 / アミノニトリル / キラル結晶 / 動的優先晶出 / 炭素同位体 / 炭素同位体不斉 / 不斉認識 / 水素同位体不斉 |
研究開始時の研究の概要 |
L型アミノ酸に代表されるキラル生体関連化合物の多くは、可能な2つの鏡像異性体のうち、ほぼ一方から構成されている(ホモキラリティー)。一方で、ストレッカー合成が、アミノ酸の前生物的生成機構と考えられてきた。本研究は、これまでに申請者らが見いだした固体アミノニトリルの顕著な不斉増幅に基づいて、炭素同位体置換により生じる極微小不斉を起源として、アミノ酸をストレッカー反応によって高エナンチオ選択的に合成することを目的とする。アキラルと認識されている化合物の殆どが、同位体まで考慮するとキラルとなり、アミノ酸ホモキラリティーの起源となることを新たに検証、解明する学術的意義をもち極めて先導的、創造的である。
|
研究成果の概要 |
炭素同位体置換キラルアミンを用い、アキラルアルデヒド、シアン化水素を反応させる立体選択的ストレッカー合成を実施した。固体アミノニトリルの不斉増幅を適用した結果、炭素同位体不斉に対応した絶対配置をもつアミノ酸合成中間体アミノニトリルを高立体選択的に合成することに成功した。また、水素同位体置換キラルアミンを用いた実験では、標識ジアステレオマーにごくわずかな溶解度差が存在することを定量的に明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、不斉自己触媒反応が炭素同位体置換キラル化合物を不斉源とすることのできる唯一の不斉合成反応であった。本研究で明らかにしたエナンチオ選択的アミノ酸合成は、立体化学、不斉合成の見地から極めて挑戦的なキラル化学研究であり、この成果は大きな科学的意義を有する。従来アキラルと認識されてきた化合物の殆どが、天然存在比1.1%の炭素13まで考慮するとキラルになることを再認識させ、さらにはアミノ酸などにみられるホモキラリティの起源として作用し得ることを解明した。
|