研究課題/領域番号 |
19K22206
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 治 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (80270693)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 分極 / 金属錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
原子価異性錯体とは金属配位子間電子移動により酸化状態が可逆にスイッチする錯体であり、酸化還元異性錯体とも呼ばれる。代表的なコバルト原子価異性錯体ではコバルトとカテコール間で電子移動が誘起される。原子価異性現象は電子移動を伴うため、異性化に伴い分子の有する双極子モーメントが変化する。本研究では原子価異性錯体の分子配向を制御することにより、温度変化で分極が可逆に反転する新物質を開発する。
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研究成果の概要 |
極性構造を有する物質の開発やその物性の解明に向けてこれまで数多くの研究開発が行われてきた。本研究では、金属配位子間電子移動を示す原子価異性錯体に着目し、キラル配位子を用いた分子配向制御、及び電子移動方向制御により、分極が可逆に反転する新しいタイプの分極制御物質を開発することを目指した。分極が結晶レベルでスイッチする物質を開発するために、キラル配位子(R or S)を用いたコバルト原子価異性錯体の開発を行い、エナンチオピュアな配位子を用いた錯体の開発に成功した。また、異種金属擬ラセミ錯体結晶の開発のための知見を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
極性構造を有する物質は強誘電材料、焦電材料、二次非線形光学材料などへの応用があり、これまで数多くの研究開発が行われてきた。特に、強誘電体物質は分極反転を利用したメモリー材料や、焦電特性を利用したセンサー材料として用いられている。本研究で開発を目指す物質は、分極を温度及び光で制御できる特性を有するため新しいタイプの分極制御物質として応用することができる。
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