研究課題/領域番号 |
19K22208
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
當舎 武彦 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 専任研究員 (00548993)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 金属酵素 / 嫌気的メタン酸化 / 酸素発生 / 不均化 / ヘム / 酸素分子発生 |
研究開始時の研究の概要 |
NO不均化反応(2NO → N2 + O2)を触媒すると推定されているNO不均化酵素(NOD)を研究対象とする。NODの配列をもつ遺伝子を入手し、大腸菌での発現系を構築する。精製したNODの機能解析を行い、NO不均化活性を示すか調べる。機能をもつNODが調製できれば、時間分解分光計測や構造解析から、NODの構造機能相関および酵素反応機構を解明する。得られる結果を基盤に、これまでに報告例のない酵素によるNO不均化反応の分子機構を提案する。
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研究成果の概要 |
メタンの嫌気的酸化によりエネルギーを得ている細菌(Candidatus Methylomirabilis oxyfera)において、酸素分子の発生を担っていると推測されている一酸化窒素不均化酵素(Nitric Oxide Dismutase:NOD)の組み換え体の大腸菌による発現・精製を試みた。NODを発現させた大腸菌の細胞膜からNODを高純度に精製することができ、アミノ酸配列から推察されるとおりヘムを含むことを示唆する吸収帯を可視領域に観測することができた。しかし、精製試料の機能を調べたところ、明瞭な一酸化窒素不均化活性を観測することはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NODにおいて提案されている一酸化窒素(NO)の不均化反応(2NO → O2 + N2)は、これまでに報告例のない生体内反応であり、その反応機構の理解は、生化学分野のみならず錯体化学・触媒化学分野など多くの研究分野において、ブレークスルーをもたらすと期待される。本研究では、NOD特有の機能を解析するまでにはいたらなかったが、NODタンパク質を組み換え体として発現させ精製することができた。本成果を土台として今後の研究が進むことで、NODの構造機能に関する理解が進み、新たなケミストリーが展開されることを期待したい。
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