研究課題/領域番号 |
19K22209
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 敏文 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80291235)
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研究分担者 |
山本 拓矢 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30525986)
磯野 拓也 北海道大学, 工学研究院, 助教 (70740075)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 特殊構造高分子 / 精密高分子合成 / カゴ型高分子 / 星型高分子 / 超分子化学 |
研究開始時の研究の概要 |
巨大カゴ状分子は内部に孤立した空間を有しており、その特徴を活かして分子識別や孤立空間における特異現象の探求など広範な研究が展開されている。こうした既知の巨大カゴ状分子はリジッドな構造体であり、単結晶X線構造解析による精密な構造研究ができるほか、厳密なサイズ・形状選択的ゲスト認識が可能である。一方、大きな内部自由度を有する「ソフトな巨大カゴ状分子」は未開拓の研究領域である。本研究では、高分子をフレームとするカゴ状分子の合成と構造・物性研究を行うとともに、カゴ表面/内面の機能化による新規材料の創出を通じて「ソフトな巨大カゴ状分子」を新たなカテゴリーのカゴ状分子システムとして確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、すべてのフレームがソフトな合成高分子からなるカゴ状構造体の簡便合成法開発および物性評価に成功した。具体的には、モデル高分子としてポリカプロラクトン (PCL) からなるカゴ状構造体を精密合成でき、これは通常の直鎖状高分子とは異なり、溶液中でフォールディングした形状をとることが明らかとなった。さらに、カゴ状ユニットが一分子内に高密度に連なった構造体 (カゴ状グラフトPCL) の合成および物性評価も達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は前例のないソフトで巨大な三次元空間を有するかご状高分子材料を容易に提供し得ることから、孤立空間の化学、材料科学、薬学などといった幅広い学術分野に強いインパクトを与える点で意義深い。特に、サイズ可変的な孤立空間を利用したドラッグデリバリーシステムや反応場に利用可能な新規機能性材料の開発の加速が期待される。この成果により、「ソフトな巨大カゴ状分子」を新たなカテゴリーの分子システムとして確立出来た。
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