研究課題/領域番号 |
19K22210
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
瀧宮 和男 東北大学, 理学研究科, 教授 (40263735)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 環状化合物 / 有機ホウ素化合物 / 共有結合性有機構造体 / 単結晶X線構造解析 / 二次元構造体 / 環状四量体 / ジオキサボロール環 / 共有結合性有機物質 / 二次元物質 |
研究開始時の研究の概要 |
ボロン酸部とカテコール部をベンゼン環上で直交するように配することで、空孔部分を極力小さくした共有結合性有機二次元物質(Covalent Organic 2-Dimensional Material)の創製を目指す。その合成法やサイズの制御法の開発、小さな空孔を利用したアルカリ金属イオンの取り込み、また、巨大平面π電子系ながら非共役構造であることを活かした応用展開も検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、これまで未知であった2,3-ジヒドロキシフェニルボロン酸ユニットの繰返し構造をもち、π電子系が密に充填した二次元構造体の合成研究を行った。「単量体」である環状四量体の合成、精製、構造同定に成功し、そこから得た合成と構造の知見を基に、二次元構造体の合成に挑んだ。結果的には完全な単離・同定に至っていないが、前駆体の合成法の確立や種々の条件下で構造体合成を試みた結果、目的物に類似した生成物を得た。二次元構造体は難溶性のため同定手法は限られるが、本研究ではモデル化合物の理論計算によりIRやXRDの結果の予測や実測値と比較し同定を試みることで、目的物の存在の可能性を掴むことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で合成に成功した環状四量体は全くの新規化合物であるだけでなく、合成が容易なうえに発光特性を持つなど、今後学術的な観点からその可能性を検討するに値すると考えられる。また、その構造モチーフはこれまでにない高密度にπ電子系が集積した構造であることから、新たな機能性期待される。一方、最終の標的化合物であった二次元構造体の単離、同定には至っていないものの、その前駆体化合物の合成法、また、目的物同定のための計算の利用などの手法は、今後の同分野の研究活動に貢献できると考えている。
|