研究課題/領域番号 |
19K22215
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大塚 英幸 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (00293051)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | エポキシ樹脂 / 高分子反応 / 化学修飾 / フェニルボロン酸 / ポリベンゾオキサジン |
研究開始時の研究の概要 |
エポキシ樹脂は、3員環エーテルであるエポキシ基を有する多官能性化合物とアミンに代表される硬化剤との重付加反応を利用して合成される架橋高分子である。高強度・絶縁性・耐熱性・耐摩耗性・耐薬品性・接着性など多くの特徴を備えた高性能、多機能樹脂として、接着剤・塗料・電子部品・複合材料など、広汎な用途に利用されている。エポキシ樹脂に関する科学技術はかなり成熟しているが、硬化後の化学修飾や物性変換の難しさ、さらに分解性の低さは長年の大きな課題となっている。本研究では、重合反応によりエポキシ樹脂中に生成する分子骨格にスポットライトを当てて、「エポキシ樹脂イノベーション」を展開することを目指す。
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研究成果の概要 |
アミン硬化エポキシ樹脂中のジエタノールアミン骨格とフェニルボロン酸の縮合反応により生成する、ジオキサザボロカン骨格は、ホウ酸とヒドロキシ基の縮合反応による共有結合形成に加えて、B-N配位結合(窒素の孤立電子対がホウ素の空軌道へと流れ込む)により安定化され双環状付加体となるため、ボロン酸誘導体はエポキシ樹脂に強固に結合できることを見出した。さらに、アミン硬化エポキシ樹脂とフェニルボロン酸との反応を、次世代型フェノール樹脂として注目されているポリベンゾオキサジンとフェニルボロン酸との反応系に展開し、硬化後のポリベンゾオキサジンを後天的に改質できることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エポキシ樹脂は三次元架橋高分子であり、詳細な構造解析なども難しく、その後天的化学修飾は極めてチャレンジングなターゲットであった。本研究ではこれまでとは全く異なるアプローチで、B-N配位結合を駆使したアミン硬化エポキシ樹脂の革新的化学修飾法の開発することができた。さらに、次世代型フェノール樹脂として注目されているポリベンゾオキサジンとフェニルボロン酸との反応系に展開し、硬化後のポリベンゾオキサジンを後天的に改質できた。一連の研究成果は、新しい学術分野の開拓という視点のみならず、将来の産業応用展開も含めて、大きな波及効果が期待される。
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