研究課題/領域番号 |
19K22227
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 靖 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50399557)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 機能性薄膜材料 / 酸窒化物 / 強誘電体 / アニオン配列 / エピタキシャル成長 / 太陽電池 / 光起電力効果 / エピタキシャル薄膜 / エピタキシャル薄膜Å / 光電変換 / 複合アニオン化合物 / 薄膜 / 配位化学 |
研究開始時の研究の概要 |
強誘電体の光起電力効果を用いた光電変換素子は、高効率太陽電池などへの応用が期待されているが、可視光の利用効率が低い。本研究では可視光を高効率に利用可能な狭バンドギャップの強誘電体薄膜の開発に取り組む。具体的には、顔料や光触媒などに応用されているペロブスカイト酸窒化物(SrTaO2NやLaTiO2N)に注目する。これらの結晶は、TiやTaイオン周囲のOとNの配列を最安定なcis型から準安定なtrans型に変えることで強誘電性を示すと予想されている。本研究では、熱力学的に非平衡な薄膜成長プロセスを駆使し、未だ合成例のない完全trans型配列をもつペロブスカイト酸窒化物強誘電体の合成に挑戦する。
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研究成果の概要 |
可視光吸収可能な強誘電体であるtrans型のアニオン配列をもつペロブスカイト酸窒化物薄膜の合成に取り組んだ。A3+B4+O2N型酸窒化物では電荷中性なAN面とBO2面を持つtrans型が安定化すると理論予測されていたが、合成した薄膜でtrans型配列の増大は確認されなかった。Nを変調ドープした薄膜の組成分析により、低温成長などで結晶中のNの拡散を抑制する必要があることが明らかになった。また、孤立電子対をもつSn2+をAサイトに導入し、正方晶歪を増強することでtrans型の安定化を狙ったが、SnNxの脱離により合成が困難であった。窒化物の脱離を抑制できる固相エピタキシー法が有望と結論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
目標としていた完全trans型ペロブスカイト酸窒化物の合成には至らなかったが、課題(酸窒化物結晶中のアニオン拡散および熱力学的に不安定な窒化物の分解脱離)とその解決に向けた方策を明らかにした。また、酸化物/酸窒化物人工超格子の合成、エピタキシャル酸化物薄膜を前駆体に用いたトポタクティック窒化反応、逆光電子ホログラフィーによる単結晶薄膜中のアニオン配列評価といった新たな技術の開発に成功した。
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