研究課題/領域番号 |
19K22231
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺西 利治 京都大学, 化学研究所, 教授 (50262598)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | ナノ材料 / パラジウム / 鉄 / 第三元素 / 規則化合金相 / Z3構造 / 磁気特性 / 規則化合金 / 合金ナノ粒子 / 規則化相 / 界面応力 / 軽元素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ナノコンポジット磁石開発時に不純物金属相の界面応力により偶発的に得られたP4/mmm空間群を基礎とした新奇FePd3規則化合金相の形成メカニズムを解明し、新奇規則化合金相が発現する構造特異物性を評価するとともに、未踏規則化合金材料群の設計指針を提案する。ターゲット材料として立方体形状単結晶Pdナノ粒子を用い、一連のFePdx@Mコアシェルナノ粒子(M:Cd、In、Pb)の精密合成・構造解析を行った後、Mシェルを溶解したFePdxナノ粒子の軽元素(H、B、C)吸蔵特性および磁気特性を検討する。また、この形成メカニズムを他の系に応用展開し、未知の規則化合金材料群の設計指針を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では、P4/mmm空間群を基礎とした新奇FePd3規則化合金相の形成メカニズムを解明し、新奇規則化合金相が発現する構造特異物性を評価するとともに、未踏規則化合金材料群の設計指針を提案することを目的とした。研究期間全体を通じて、Z3-Fe(Pd,In)3構造ならびに等方性L12構造と異方性L10構造の中間的Pt-Ir-Fe合金構造を合成することに成功し、ナノ粒子の構造変換により得られる新奇結晶相が、一段合成で得られるナノ粒子にはない興味深い結晶構造・物性をもつことを実証した。特に、無機物質の異方結晶構造に基づく異方的機能の発現は、高性能触媒・磁性材料創製の観点から極めて興味深いものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で合成されたZ3-Fe(Pd,In)3ナノ粒子は、等方性L12構造にはない高い酸素還元能および磁気特性を有していることが明らかとなっている。特に、異方性規則化合金ナノ粒子は、(111)面の異方性二次元歪みにより、非常に高い酸素還元触媒特性を示す可能性が高く、固体高分子質型燃料電池のカソード触媒への展開が期待される。
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