研究課題/領域番号 |
19K22232
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中西 周次 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (40333447)
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研究分担者 |
小川 知之 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (80211811)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 化学反応サイクル / 人工光合成 / 二酸化炭素 / エネルギー変換 / カルビン回路 / CO2還元 / システムケミストリー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,光合成のカルビンサイクルにおけるCO2還元固定化戦略に倣い,自己触媒過程を内包する非生物反応であるホルモース反応サイクルをベースとしたCO2から糖の人工光合成の実現を目指す.ホルモース反応は,アルドール付加反応に基づくアルデヒドからの糖の合成反応であり,塩基性条件下において二価金属イオンに触媒される.この反応をベースとした反応サイクルとCO2の光還元反応とを融合させ,CO2を出発物質とした糖の人工光合成の実現を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では、天然光合成のカルビンサイクルに倣い、自己触媒的な化学反応サイクルの設計に取り組んだ。実験および数理の両面からのアプローチを実施した。実験に関しては、酸性~中性条件において高速にサイクル反応を進める遷移金属触媒を見出した。従来、このサイクル反応は塩基性条件でしか有意な速度で進行しなかったが、本発見に基づき、今後より人工光合成に適した中性条件での展開が可能となった。また、数理的アプローチに関しては、ホルモース反応系を記述する微分方程式モデルを構築し、種々の条件での結果予測が行えるようになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、糖を生成する化学反応サイクルを中性pHで駆動することに成功した。これは、将来的にCO2から糖(食料)の化学合成を実現する上で重要な成果である。現状、CO2からの糖の生産は、大量の水・栄養・土地・エネルギーを要する農業(光合成プロセス)に依存しており、近い将来、今後の世界人口の増加を支えられなくなることが懸念されている。二酸化炭素を原料とした糖の化学合成は、低コストかつ高速な糖生産の実現をその将来像として見据えており、本研究はそうした技術革新のブレークスルーになると期待される。
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