研究課題/領域番号 |
19K22238
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
土井 貴之 同志社大学, 理工学部, 教授 (30404007)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | リチウムイオン電池 / 濃厚電解液 / 高濃度 / 溶媒和 / 正極 / 二次電池 / 電解液 / 酸化 / 高電圧 |
研究開始時の研究の概要 |
5 V級リチウムイオン電池の実現に向けて酸化側の電位窓が広い電解液を開発し、その溶液構造と電位窓の相関を明らかにする。すでに4.6 Vまでの電位窓拡大に成功しているため、この三元系エステル電解液を足掛かりとして新規エステル溶媒とLi塩を用いて電解液組成を詳細に検討し、酸化側の電位窓を調べる。また、得られた電解液の溶液構造を調べることにより、特に異種溶媒分子間の双極子-双極子相互作用に注目して電位窓との相関を解析する。
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研究成果の概要 |
リチウムイオン電池用電解液は環状と鎖状の炭酸エステルにより溶媒系が構成されており、特異的に高い耐酸化性を示す溶媒組成比(マジックナンバー)が存在する。この原因として,本研究では異種溶媒分子間の双極子-双極子相互作用に注目し、これを更なる電位窓拡大の新機軸とするために、耐酸化性電解液の開発およびその溶液構造の解析に取り組んだ。LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2など三種類の正極材料に対して,それぞれ良好な充放電サイクル特性を示す電解液系を見出し,溶媒和数やフリー溶媒の濃度を調べて充放電性能との相関を考察した結果,電解液の電位窓拡大を図るための根本的な設計原理として三つの知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低炭素社会の実現に向けてリチウムイオン電池の高容量化や高電圧化が必要不可欠であるが,本研究は,これを実現するための高性能電解液の開発とその設計原理を提示することを目指した点に社会的意義がある。また、これまで、電解液の電位窓拡大には、溶媒および電解質自身の耐酸化還元性向上,および濃厚化によるイオン-双極子相互作用の強化が有効と考えられてきたが、本研究では異種溶媒分子間の双極子-双極子相互作用に注目し、これが電解液の電位窓拡大に与える効果を検証した点に学術的意義がある。本研究で得られた知見は、マグネシウム二次電池やナトリウム二次電池などの次世代蓄電池用電解液の開発に対しても有用と考えられる。
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