研究課題/領域番号 |
19K22241
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水上 進 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30420433)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | タンパク質ラベル化技術 / リン酸化酵素 / 光薬理学 / 蛋白質ラベル化技術 / キナーゼ / フォトスイッチ / 阻害剤 / 光 / 蛋白質ラベル化 |
研究開始時の研究の概要 |
独自に開発している光可逆的蛋白質ラベル化技術と二官能性酵素阻害剤を融合させて、光照射を利用して特定の細胞内リン酸化酵素活性を可逆的かつ定量的に制御するシステムを開発する。標的酵素としてはがんなどの疾患に関与する酵素を選択し、それらの酵素活性レベルと細胞応答を顕微鏡イメージング技術によって可視化解析を行う。これにより、キナーゼ活性レベルが細胞内シグナル伝達を始めとする動的分子ネットワークに及ぼす役割を調べる。
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研究成果の概要 |
生きた細胞内の特定の酵素活性を光刺激によって特定の場所・時間において変調させ、その細胞応答を観察できれば、標的酵素の未知の生理機能の解明に繋がると期待される。本研究では、独自に開発した光可逆的蛋白質ラベル化技術を利用して、特定の細胞内酵素活性を光制御する技術の開発に取り組んだ。最初の標的分子として、上皮成長因子受容体(EGFR)を選択したが、設計した光応答性分子の合成が難航したため、標的キナーゼをPINK-1に変更した。光応答性プローブの開発により、PINK-1の細胞内局在の光制御システムの開発に成功し、PINK-1の主要な生理機能の一つであるマイトファジーを自在に光制御することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内の酵素活性を光制御する技術は、基礎生物学から医学・薬学に至るまで幅広い領域の研究で活用できる重要な基盤技術となり得る。本研究で得られた成果は、開発した手法が単に特定の酵素の機能を制御する手法を提供するだけでなく、他の酵素・タンパク質にも応用可能な普遍的な技術であることを示している。今後、標的蛋白質(PINK-1)の未知の機能の解明や、より詳細な細胞内シグナル伝達機構の解明に繋がることが期待される。
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