研究課題/領域番号 |
19K22243
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
後藤 佑樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70570604)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ペプチド / RiPP / 擬天然物 / チオペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
次世代型の創薬候補分子として、中分子サイズの環状ペプチドが近年注目されているものの、ペプチドは細胞膜通過性が低く、細胞内の創薬標的を阻害する人工ペプチド薬剤を自在に開発する原理は現時点では存在しない。そこで本研究では、望みの標的に結合する人工ペプチドリガンド配列と天然物由来の閉環様式を融合させたキメラペプチドを作製することで、細胞内で阻害活性を発揮する環状ペプチド薬剤を信頼性良く開発する汎用原理を確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
次世代型の生物活性分子として、中分子サイズの環状ペプチドが近年注目されている。我々はこれまでに、人工翻訳系を駆使した環状ペプチドの試験管内分子選択技術を確立しており、多彩な生物活性ペプチドの開発に成功してきた。しかし、人工環状ペプチドには体内動態・ペプチダーゼへの安定性・細胞膜透過性など、医薬品としての実用化にはまだまだ解決すべき課題は多い。そこで本研究では、試験管内分子選択技術で獲得した人工環状ペプチド配列と天然由来の生物活性ペプチドであるチオペプチド群に見られる閉環様式とを組み合わせることを着想した。この戦略により、医薬品としてより良い物性が期待されるキメラ環状ペプチドの創製を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの水素結合部位を有するポリアミド主鎖から成るペプチド分子は本質的に水和状態が安定であり、疎水場である細胞膜を通過できるものは稀である。そのためペプチドを細胞内で働く薬剤として活用するには、余分な細胞内移行シグナル配列を用いたり、高度な細胞内デリバリーシステムの利用が必要であることが多いのが現状である。本研究では、「人工ペプチド配列と天然物の閉環骨格を組み合わせる」というごくシンプルな戦略で、良好な膜透過性が期待できる新たなクラスのペプチド薬剤の設計の道を拓いた。それゆえ、このキメラペプチドの設計戦略は、将来的に細胞内を標的とする中分子医薬品を開発する上での標準戦略となる可能性を秘めている。
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