研究課題/領域番号 |
19K22246
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 勉 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20292782)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | RNA修飾 / tRNA / エピトランスクリプトミクス / ナノポアシーケンス / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、修飾を含むRNAをナノポアシーケンスすることによって得られる電流値を大量に取得し、深層学習を行うことで、RNA修飾の検出に特化したbase callアルゴリズムの開発を目指す。そのための前段階として、細胞から抽出した全tRNAを未分画のままナノポアシーケンスし、個々のtRNA が通過した際に生じる特徴的な電流波形のパターンから、その配列を読むことなく1 分子ごとにtRNA 種を特定する分類器の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
RNA修飾を迅速かつ簡便にマッピングする技術の確立は今後のエピトランスクリプトミクス研究に欠かせない基盤技術である。本研究では、ナノポアシーケンサーを用い、RNAに含まれる様々な修飾を検出する技術の確立を目指している。大腸菌から精製した全44種類のtRNAのナノポアシーケンスを行い、個々の電流値のデータを畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に深層学習させた。テストデータを用い、精度の検証を行ったところ、全44種類のtRNAを平均で98%を超える高い精度で分類することに成功した。また、たった一か所のtRNA修飾の有無を判定することにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、エピトランスクリプトミクス研究の基盤技術を提供し、RNA修飾が担う機能と、普遍的な生命現象との関わりを明らかにすることで、学術的に貢献するだけでな、将来的なエピトランスクリプトミクス創薬や食料問題など、様々な経済的価値の創出に大きく貢献することが期待される。特に本技術は、がんや生活習慣病などの疾患で変動するRNA修飾を、微量な試料を用いて、迅速にかつ正確に解析することが可能になるため、有用なバイオマーカーが存在しない疾患領域においても、新しい診断法を提供できる可能性があると考えられる。
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