研究課題/領域番号 |
19K22252
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 大士 京都大学, 高等研究院, 准教授 (20713564)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | タンパク質 / 自己集合分子 / ホスト-ゲスト化合物 / パラジウム / 電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質の折り畳み機構に関する研究は、未だ未解明部分が多い。この折り畳み問題に対して、タンパク質の近傍空間を化学構造体により取り囲む、すなわち空間的な修飾を施すアプローチにより、新しい測定手法の開発を試みるのが本研究課題である。実験手法としては電子顕微鏡を想定している。化学構造体による分析タンパク質の空間隔離は、測定画像の粒子検出とアラインメントを容易にし、またサンプルのアンフォールド状態における凝集を防ぐ。
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研究成果の概要 |
タンパク質の近傍空間を化学構造体により取り囲む、すなわち空間的な修飾を施すアプローチにより、内部に包接したタンパク質を安定化、その構造解析を行う事を目指した。モデルタンパク質としてクチナーゼ様タンパク質を用いその安定化効果を検討したところ、熱、変性剤、有機溶剤に対して著しい安定化が得られた。特に有機溶剤に対しては1000倍を超える安定化効果が得られた。有機溶剤濃度を90%まで上昇させ室温で静置した所、内部のタンパク質の変性は観測されたものの、凝集等が生じることもなく、有機溶剤濃度を低下させれば再びリフォールディングが生じた。すなわち仮説通り、フォールディングの中間状態安定化に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質のフォールディング機構は、未だにわかっていないことが多い。研究の困難さの一つは、フォールディング途中の構造を、観測のために留め置くことができないためである。多くの場合、フォールディングの中途状態は疎水面が露出しているなど不安定なため、そのままでは凝集してしまう。自然界では、シャペロニンタンパク質と呼ばれる、正しいフォールディングを助ける役割のタンパク質が存在する。今回の研究は、合成した化学分子にて、シャペロニンタンパク質に相当する孤立空間を作成、狙い通りに中間状態を安定化することに成功した。
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