研究課題/領域番号 |
19K22254
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
|
キーワード | RNA / 標的 / 低分子 / 創薬 / 誘導適合 / 量子計算 / DNA / 複合体 / 形成経路 / 量子化学計算 / 核酸 / 形成過程 / 計算機科学 / 低分子複合体 / 複合体形成過程 / 計算科学 |
研究開始時の研究の概要 |
低分子とRNAの複合体形成は、動的な構造変化を伴う「誘導適合」で進むため、RNA結合分子の設計はほぼ困難である。誘導適合型の低分子-RNA結合の本質的な理解と、研究者が気付かない複合体形成要因の解明が不可欠である。本提案研究では、GRRM法による経路探索とDLPNO-CCSD(T)等の超高精密エネルギー計算を組み合わせ、これまで誰も考えもしなかった巨大な分子サイズを持つ「低分子-RNA複合体」の形成経路を理論科学的に解き明かし、律速段階同定、複合体形成の決定的記述子の同定、その分子設計へのフィードバックと効果実証などにより、RNA標的低分子創成を一気に加速させる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、動的な構造変化を伴う誘導適合型の低分子-RNA結合の本質的な理解を狙った。構造解析された低分子DANPとCバルジ複合体について、シトシンバルジの対面にあるDANPを、水素結合と直角方向に適当な距離で引き離した初期構造を発生し、その構造からの安定構造をシミュレーションにより求めた。その結果、元の構造に戻らなくなる座標、すなわち、複合体構造が形成するまでに複数の遷移状態が存在することが明らかとなり、精密構造解析による遷移状態の構造の手がかりを得た。量子化学計算用のパラメーター導出を行い、密度汎関数法のwb97xd/6-31+gdレベルでの構造最適化を、水中で実施した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これから将来極めて有望であり、必ずや創薬研究に必要となるRNAを標的とする低分子創成のボトルネックは、RNA-低分子複合体形成が誘導適合型であるためシミュレーションが難しいことにある。この問題点を解決し、我が国がRNAを標的とする低分子創成研究で主導権を握ることを目的として、最新の革新的計算科学手法を世界にさきがけて低分子-核酸複合体という巨大分子系に適用し、低分子-RNA複合体形成経路の計算科学による解明を基盤とするRNA標的低分子創成の加速、本領域における主導権の掌握を狙った。結果的には目標に到達できなかったが、本研究は、RNA標的低分子創薬に資する研究である。
|