研究課題/領域番号 |
19K22255
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菊地 和也 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70292951)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 光スイッチング / 蛍光プローブ / 光異性化 / 超解像イメージング / 蛋白質可逆ラベル化 / 化学プローブ / RESOLFT / 蛋白質ラベル化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新たな蛋白質・合成蛍光プローブのペアを用い、化学原理に基づき蛍光スイッチ機能を持つ超解像イメージングプローブを設計・開発する。分子が発する蛍光を制御することは、新時代の生体イメージングの鍵となる。生体シグナルに応じて、標的分子が現れ消えていく様子を見るには、その標的分子を蛍光色素で特異的に標識し、その色素の蛍光特性を変化させるスイッチ機能が必要である。これらの課題を解決することを目的とし、化学からのアプローチにより、超解像イメージングに応用可能な新しいスイッチ機能を持つプローブの開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、特定の波長の光を照射することで蛍光をスイッチングさせるプローブの開発に取り組んだ。優れた光異性化能を有するアリルアゾピラゾール(AAP)を消光基と蛍光色素の位置制御に用いたSCプローブの合成と評価を行い、SC1では約60%、SC2、SC3では約40%の蛍光強度のスイッチングを達成した。さらに、繰り返し光照射を行った際にも安定的に蛍光スイッチングを起こすことが確認され、高い光安定性を有する蛍光スイッチングプローブの開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蛍光スイッチング分子は、光照射により蛍光強度を制御できる性質を持ち、超解像顕微鏡法で、光の回折分解能を越えて生体分子の局在を可視化するために用いられる。これらの分子を用いた超解像顕微鏡による生物学研究への応用においては添加剤の使用や光安定性の欠如など未だ課題があったが、今回開発した分子スイッチングのメカニズムを利用することで、添加剤フリーで蛍光強度が繰り返し変化することが明らかとなり、今後の超解像イメージングに応用することで、長時間の微細構造の観察による生命科学研究の進展が期待される。
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