研究課題/領域番号 |
19K22256
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50314422)
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研究分担者 |
小阪田 泰子 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00579245)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | DNA / 変異原 / 1分子検出 / アルコール / アセトアルデヒド / 1分子計測 / 次世代シークエンサー / 変異 |
研究開始時の研究の概要 |
DNAに生じる傷は、DNAの情報が書き換わる原因となり(=変異)、発ガン、老化を引き起こします。本研究では、DNA傷の中でも、稀にしか現れず、かつ、短い時間しか存在しないような傷(=過渡核酸塩基付加体)に注目します。これまでは、調べる方法が無く良くわかっていなかった、過渡核酸塩基付加体が我々の発ガンや老化にどのように関わっているかを明らかにします。
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研究成果の概要 |
本研究では、発がん物質であるアルコールの摂取により過渡的に体内に生じる核酸付加体“N2-ethylidene-G (ethG)”の形成について知見を得ることを目的とした。PacBio社製の次世代シーケンサーRSII+を用いて、核酸の結合・解離過程を1分子追跡することにより、mMオーダーの比較的高濃度のアセトアルデヒド存在下におけるethGの生成の観測に成功した。ethGの生成を詳細に定量的に議論するためには、膨大なデータを適切に処理することが必要であることが浮き彫りになった。過渡的に形成するethGの生成、解離過程のデータ解析法を確立するため、核酸アプタマーの1分子解析を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
百薬の長とよばれ我々の人生を豊にしている一方、国際がん研究機関より、ベンゼンなどと同じ「G1: ヒトに対する発がん性がある」に分類されているアルコールの摂取が体に与える影響を理解することは、人類がアルコールとより上手に付き合うことにつながる。我々が行ったハイスループットな1分子観測は、低頻度、かつ、短時間にしか生じない、すなわち、過渡的な準安定生成物の生成・代謝機構を調べる有効なツールとなりうることが示された。一方で、膨大なデータからのデータ抽出が必要でありAI等のデータサイエンス分野との連携が不可欠であることを浮き彫りとした。
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