研究課題/領域番号 |
19K22260
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
北岸 宏亮 同志社大学, 理工学部, 教授 (60448090)
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研究分担者 |
青井 貴之 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 一酸化炭素 / 細胞分化 / ポルフィリン / シクロデキストリン / ヘム / ヘムオキシゲナーゼ / ガスバイオロジー / ヘモグロビン / ガス状シグナル伝達物質 / iPS細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内では一酸化炭素がシグナル伝達物質として機能することが注目されているが,その研究手段は乏しい。本研究では細胞内一酸化炭素を定量,追加および除去できる分子ツールを用いて,細胞分化プロセスにおける一酸化炭素の生理的役割について考察する。細胞分化の分子レベルでの本質的機構解明に貢献する。
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研究成果の概要 |
細胞内シグナル分子としての一酸化炭素の機能を理解するため,我々が開発した人工ヘモグロビンモデル錯体hemoCDを用いた検討を行った。まずhemoCDの細胞への作用について検討し,細胞内COの定量をhemoCDをつかって正確に行うアッセイを考案した。このアッセイによって細胞内や動物体内におけるCOを定量できるアッセイを確立した。さらにこのアッセイによりCOの体内動態を明らかにした。hemoCDと膜透過性ペプチドを組み合わせた系による細胞内COノックダウン,膜透過性を向上させたCO徐放分子の開発,代謝されてもCOを発しないヘム誘導体などを合成し,細胞内COの生理機能解明のための化合物群を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は有毒ガスでありながら生体内シグナルメディエーターとして機能する一酸化炭素の生理作用について,より深く理解するためのものである。細胞内では様々なシグナル伝達物質により情報が伝達され,細胞分化などの生命が活動するために必要なプロセスを実施している。本研究では(1) 細胞内一酸化炭素を除去する方法,(2)細胞および生体組織内に分布した一酸化炭素を簡単に定量する方法,(3)細胞内に一酸化炭素を効率よくデリバリーする化合物,(4)細胞内で分解されるが一酸化炭素を発しないヘム誘導体などを開発することに成功した。これらの成果は一酸化炭素の生理作用に対する深い理解をもたらすものである。
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