研究課題/領域番号 |
19K22267
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中村 顕 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10207863)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | L-glucose catabolism / Rhizobiales / Verrucomicrobia / Luteolibacter / L-galactose / L-glucose / catabolism / L-グルコース代謝 / Alphaproteobacteria |
研究開始時の研究の概要 |
地球上の生命はD-グルコースを代謝するが、その鏡像異性体のL-グルコースは代謝できないとされ、"ホモキラリティー"があるとされてきた。ところが申請者は自然界よりL-グルコース代謝能を持ち、分類上の門レベルで異なる細菌の分離に成功した。このことから、L-グルコース代謝能は細菌間で広く保存された性質であることが考えられる。また、L-グルコース代謝機構の相違についても未知である。 本研究では、L-グルコース資化能の細菌間での普遍性と、代謝機構の保存性を検討することにより、L-グルコース代謝が進化的に保存された特性なのかどうかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
最初にL-グルコース代謝の普遍性を検討するため、既知のL-グルコース資化菌の多くが属するRhizobiales目の基準株、148株を調べたところ、Mesorhizobium acaciae JCM 30534T株のみが明確なL-グルコース資化能を示した。この結果からL-グルコース資化能は株レベルの形質であると推察された。 次に既分離株とは門レベルで異なるLuteolibacter LG18株のL-グルコース代謝機構を解析し、既知のP. laeviglucosivoransのものと比較した。その結果、LG18株の代謝経路では途中段階でC-4 epimerizationが必要なことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球上のほとんどの生物はD-グルコースを資化することができるが、その鏡像体のL-グルコースを資化する生物は、長い間いないとされてきた。研究代表者は以前に自然界からL-グルコース資化菌P. laeviglucosivorans 43P株を単離し、その代謝機構を明らかにした。 本研究では、43P株とは分類学上の門レベルで異なるLuteolibacter LG18株のL-グルコース代謝機構を解析したものであり、43P株とは部分的に異なる代謝機構を有していることを示唆する結果を得た。これらの結果は、生物の糖代謝、特に希少糖代謝に関して学術的に重要な知見を与えるものである。
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