研究課題/領域番号 |
19K22274
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
原 正和 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (10293614)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 超低温保存 / タンパク質保護 / 天然変性タンパク質 / デハイドリン / 蛋白質保護 / 天然変性蛋白質 / 植物天然変性タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
今日、国際的な医薬品開発は、バイオ医薬品(特に抗体製剤)にシフトしている。抗体は不安定であるため、製剤には高濃度(数%~10%)の保存剤が添加されている。また、凍結融解による失活を防ぐため、短期の冷蔵保存が不可欠である。一方、多様化した医療現場では、添加剤を減らし、凍結融解を繰り返しても半永久的に使用可能な剤形が求められている。しかし、現在の技術では不可能であり、飛躍的な技術革新が必須である。研究代表者は、植物種子の超低温保存に関与する特異な天然変性蛋白質(デハイドリン)の機能を研究し、新しいドメインに、卓越した超低温保護活性を見出した。
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研究成果の概要 |
近年、バイオ医薬品、特に抗体製剤が盛んに開発されている。抗体の安定性を高めるためには多量の保存剤の添加と低温管理が必要である。しかし凍結融解によって抗体は凝集し、製剤としての性能が著しく低下する。一方われわれは、植物種子の凍結保存性に関与するタンパク質デハイドリンのFセグメントが、タンパク質の凍結変性を強力に抑制することを見出した。本研究では、抗体の凍結凝集がFセグメントによって効率よく抑制できることを示し、その凍結保護作用のメカニズムについて考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、種子の低温耐性に関与し、一定の形をとらない天然変性タンパク質であるデハイドリンが、他のタンパク質を凍結ストレスから守る仕組みを解明した点である。社会的意義としては、デハイドリンの機能がバイオ医薬品、特に抗体製剤の保存技術を格段に向上させる可能性を示した点である。
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