研究課題/領域番号 |
19K22278
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三芳 秀人 京都大学, 農学研究科, 教授 (20190829)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 活性酸素 / ユビキノン / complex I / 酸化ストレス / 生体エネルギー / 複合体 I / 化学修飾 / ミトコンドリア呼吸鎖酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
酸化ストレスの原因物質である活性酸素は、主にミトコンドリア呼吸鎖酵素から発生する。抗酸化剤は活性酸素の軽減のために広く利用されているが、活性酸素発生部位の下流で作用するため、活性酸素の発生そのものを直接的に遮断することはできない。近年の研究から、ミトコンドリア複合体-Iの逆反応であるキノール酸化の過程で、セミキノンラジカル中間体から酸素分子に1電子移動するという考え方が定着している。「複合体-Iの逆反応のみを特異的に阻害できれば、活性酸素をその発生源から断つことができるのではないか」という着想に基づき、そのような阻害特性を有する化合物を創生することを目指す。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアは酸化的リン酸化によってATPを生産するが、酸化的リン酸化に不可避の副産物として活性酸素を発生させ、様々な疾病や老化の亢進に関与する。活性酸素の発生メカニズムとしては、コハク酸の過剰な蓄積に起因するNADH-キノン酸化還元酵素(複合体-I)の逆反応であるキノール酸化の過程で、セミキノンラジカル中間体から酸素分子に電子がリークするためと考えられている。S1QEL類をシーズ化合物とすることによって、「複合体-Iの逆反応のみを阻害して、ミトコンドリアの機能を撹乱することなく、活性酸素発生を根元から断つことのできる化合物」を創製することを本研究の目的とする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリアに対して特異的に移行する抗酸化剤など、多数の優れた抗酸化剤が開発されて来たが、抗酸化剤は活性酸素発生部位の下流で作用するため、活性酸素発生そのものを根元から断つことはできないという限界がある。複合体-Iは細胞内での活性酸素発生の主要部位であるため、本酵素からの活性酸素発生を制御することは酸化ストレス研究の重要な課題である。複合体-Iからの活性酸素発生を遮断する化合物が創製できれば、ミトコンドリアや細胞の酸化ストレス研究におけるブレークスルーになることが期待できる。また、本研究の成果は老化研究に及ぼす波及効果も期待でき、社会的意義が十分にある。
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