研究課題
挑戦的研究(萌芽)
コラーゲンなどの細胞外基質の種類や濃度、硬さが、炎症や脂肪細胞分化、がん細胞遊走を調節する。これまでに、細胞と細胞外基質との接着装置である接着斑に局在するタンパク質の重要性が示され、その機能が解明されてきた。本研究では、接着斑細胞膜が他の細胞膜に比べて特殊であり、その組成が変化することが重要であるという可能性を検証する。そのために、接着斑細胞膜の脂質組成を解析できる実験系と接着斑の細胞膜脂質組成を変化させる実験系の構築を目指す。
細胞外基質の種類や濃度、硬さなどの細胞外環境の感知とそれによる細胞機能の制御には、接着斑が重要である。これまでに、接着斑局在タンパク質の機能はよく解析されているが、接着斑の細胞膜についてはよくわかっていない。本研究では、接着斑の細胞膜に含まれる脂質について調べた。単離した接着斑から抽出する実験系を構築し、その含有脂質を調べたところ、接着斑細胞膜は細胞膜全体と組成が異なることが示唆された。また、接着斑細胞膜を改変する実験系の構築も試みた。
細胞外環境は接着斑を介して、間葉系幹細胞の分化の方向性やがんの悪性化に影響を与えています。本研究により、接着斑領域にある細胞膜は他の細胞膜とは組成が異なることが示唆されました。このことは接着斑の働きに細胞膜が関与してる可能性を示しており、さらに今後接着斑細胞膜の重要性を示すことで、再生医療のための新しい仕組みの開発につながることが期待されます。
すべて 2023 2022 2021 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (60件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 備考 (2件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 532 号: 2 ページ: 205-210
10.1016/j.bbrc.2020.08.032
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
巻: 84 号: 4 ページ: 764-773
10.1080/09168451.2019.1700775
Journal of Biological Chemistry
巻: in press 号: 15 ページ: 5002-5011
10.1074/jbc.ra119.012042
Sci. Rep.
巻: 9 号: 1 ページ: 4548-4548
10.1038/s41598-019-39973-x
120006644065
The Journal of Biochemistry
巻: 166 号: 4 ページ: 309-315
10.1093/jb/mvz039
40022023631
Circ. Res.
巻: 125 号: 4 ページ: 414-430
10.1161/circresaha.119.314806
生体の科学
巻: 70 ページ: 290-295
http://www.biochemistry.kais.kyoto-u.ac.jp/