研究課題/領域番号 |
19K22294
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
重信 秀治 基礎生物学研究所, 超階層生物学センター, 教授 (30399555)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 抗菌ペプチド / RNA-seq / トランスクリプトーム解析 / 昆虫 / 共生 / 次世代シーケンシング |
研究開始時の研究の概要 |
抗菌ペプチドは、多細胞生物がもつ自然免疫で機能する生体防御物質で、侵略する微生物を殺すために用いられる。既存の抗生物質と比べて耐性を獲得しにくい特性があり近年注目されている。私は、昆虫アブラムシと共生細菌の共生機構解明の基礎研究に従事してきたが、その過程で偶然に、機能未知遺伝子の中に新規の抗菌ペプチド群を発見した。これらは従来の遺伝子予測プログラムでは予測が不可能であったが、一定の特徴を共有していることに気づいた。本研究では、そのような経験則をパイプラインとして実装し、昆虫=微生物共生系のゲノム・トランスクリプトームデータからシステマティックに新規抗菌ペプチドを探索する新規技術を開発する。
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研究成果の概要 |
私は、昆虫と微生物が共生する「菌細胞」のトランスクリプトーム解析の過程で新規の抗菌ペプチドを偶然発見したことをきっかけとし、本研究では昆虫=微生物共生系に着目した新たな抗菌ペプチドの探索パイプラインの開発と、その手法を用いた新規抗菌ペプチドの発見を目指した。その結果、アブラムシのBCRペプチドをはじめとする新しいクラスの抗菌ペプチドを昆虫から発見することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗菌ペプチドは、多細胞生物がもつ生体防御のための物質で、自然免疫反応によって、侵略してくる病原性微生物を攻撃するための分子である。既存の抗生物質と比べて耐性を獲得しにくいため、新規抗菌ペプチドの開発には大きな関心が寄せられている。本研究では、これまで注目されてなかった昆虫・微生物共生系に焦点を当て、新規抗菌ペプチドの探索パイプラインを開発し、その手法を用いた新規抗菌ペプチドの発見を成功させた。これらの新規抗菌ペプチドは、新規医薬品や農薬の開発に応用できる大きなポテンシャルを秘めているとともに、本研究で示したアプローチは、ゲノム時代の天然物創薬の新たな方向性を示している。
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