研究課題/領域番号 |
19K22295
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
宮崎 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (80712489)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 腸内細菌叢 / 社会性昆虫 / ミツバチ / 腸内細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今の研究によって腸内細菌が宿主の様々な生理機能や疾病に関与することが明らかとなってきた。しかし、哺乳類の腸内細菌叢は多種の細菌によって構成されており、そのほとんどは実験室での培養技術が確立していないため、個々の細菌の役割、すなわち各腸内細菌と宿主機能の関連性を包括的に解析することは現在の技術では不可能である。本研究では、これらの問題を解決できる唯一の実験システムとしてミツバチの腸内細菌叢を用い、宿主に共生する腸内細菌叢を実験的に再構築することによって、個々の腸内細菌が宿主の行動や生理機能に与える影響を網羅的に解析し、その分子基盤の解明に挑戦する。
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研究成果の概要 |
ミツバチ腸内細菌叢を人工的に再構築し、ミツバチの寿命と摂食行動に対する腸内細菌の影響を解析した。その結果、腸内細菌の保有自体はミツバチ個体にとって負担であることが分かった。この現象は無菌マウスを使った研究結果と類似しており、生物に共通の特徴である可能性がある。一方、特定の腸内細菌の組合せがミツバチの寿命に対して正の効果があることも見出され、腸内細菌同士の相互作用が宿主にとって重要であることが示唆された。また、2-5時間の絶食後のミツバチの味覚応答を調べたところ、腸内細菌の存在は味覚応答に影響を与えないことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
保有する腸内細菌が全て培養でき、腸内細菌のあらゆる組合せで宿主への影響を評価できるミツバチを用いることで、個々の腸内細菌の機能だけでなく、腸内細菌同士の相互作用がもたらす効果を実験的かつ網羅的に解析できることを、本研究によって示すことができた。これはミツバチが腸内細菌叢研究の新しいモデルとして有用であることを示している。本研究成果は国内学会等の招待講演で発表し、複数の論文執筆の最終段階にある。また、社会性昆虫の腸内細菌叢について国際専門誌から総説執筆依頼を受けて発表しており、国内外の注目度も高い。
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