研究課題
挑戦的研究(萌芽)
新規自家不和合性関連因子2H12のばれいしょオルソログ(St2H12)のゲノム編集により、自家和合性化した二倍体ばれいしょ個体を取得する。その自殖後代から、CRISPR/Cas9発現カセットを持たずSt2h12の破壊された、開放系で栽培可能で自家和合性のnull-segragantを取得する。
ジャガイモにおいて純系を用いたF1育種体系の確立を目標とし、二倍体ジャガイモのゲノム編集による自家和合性系統の作出を試みた。S遺伝子をゲノム編集の標的とした場合、S遺伝子座は動原体近傍に座乗するため、近傍に有害遺伝子が存在した場合、組換えによる除去が極めて困難である。このため本研究では、我々がペチュニアで見出した新規の自家不和合性非S因子のジャガイモホモログをゲノム編集の標的とした。目的遺伝子にバイアレリックな形で変異を導入したゲノム編集個体を複数得ることができた。ジャガイモは開花制御が容易ではないが、今後自家不和合性形質の変化の有無を解析予定である。
ジャガイモは四倍体の栄養繁殖性作物であることを反映し、’男爵’など100年以上前の品種が現在でも広く栽培されているなど、同じナス科のトマトなどと比べて育種が進んでいない。純系の一代雑種を利用するF1品種の育種体系がジャガイモで確立できれば画期的な新品種が生み出されると期待されている。しかしながら二倍体ジャガイモは強い自家不和合性を示し、純系の育成が困難である。本研究では自家不和合性非S因子を標的とした二倍体ジャガイモのゲノム編集個体を複数得ることができた。これらの系統が自家和合性を示せば、ジャガイモF1育種体系の確立に向けた重要な一歩となる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
Plos One
巻: 17 号: 12 ページ: e0279432-e0279432
10.1371/journal.pone.0279432
Euphytica
巻: 218 号: 8 ページ: 120-120
10.1007/s10681-022-03058-0