研究課題/領域番号 |
19K22303
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
岡崎 伸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40379285)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 根粒 / イネ / 窒素固定 / 根粒菌 / エフェクター |
研究開始時の研究の概要 |
根粒菌はマメ科植物に根粒を形成し、窒素固定することで宿主植物に窒素栄養を供給することができる。窒素肥料の大幅な使用削減を実現するための手段として、イネ科植物に窒素固定根粒を形成させる研究が世界中で進行中であるが、未だ成功には至っていない。申請者らは一部の根粒菌がエフェクタータンパク質をマメ科植物細胞に注入し、根粒形成シグナルを直接起動することを発見した。本研究では、宿主の根粒形成シグナルを直接起動する根粒菌を利用して、世界で初めてイネ科植物に窒素固定根粒を形成させることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、根粒形成誘導タンパク質(エフェクター)を分泌する根粒菌と、イネ根に根粒様組織を誘導する2,4-Dを利用して、イネに窒素固定根粒を形成させることを試みた。本研究の結果、(1)根粒菌はイネの根に定着し、ゲニステインを同時に添加することでエフェクター遺伝子を発現できること、(2)2,4-D添加によりイネ根に細胞分裂を誘導し、根の数カ所に膨らみを形成できること、(3)根粒菌はイネ根に形成された膨らみ部分表面へ定着し、ゲニステイン同時添加により、根粒菌の定着量が増大すること、が明らかとなった。しかしながら、イネ根に形成された膨らみ内部への根粒菌の侵入は確認できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代農業で最も多く利用される窒素肥料は、水質汚染や温室効果ガス排出など生態系に悪影響を及ぼす。一方、根粒菌はマメ科植物の根に根粒を形成し、窒素固定により宿主植物に窒素栄養を供給する。本研究ではイネ科植物への窒素固定根粒形成を試みた。結果として、2,4-Dにより人為的にイネ根に膨らみを形成できること、ゲニステインにより根粒菌のイネ根への定着を向上できることを明らかにした。これまでのところイネ根に形成された膨らみに根粒菌を侵入・感染するところまでは確認できていないため、今後、根粒菌の侵入・感染と窒素固定遺伝子発現を可能にする因子を根粒菌側、イネ側両方から解析することが必要と考える。
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