研究課題/領域番号 |
19K22304
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
福原 敏行 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90228924)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | トマト / RNA干渉 / 2本鎖RNA / トマト萎凋病菌 / 蛍光色素標識 / カロース合成酵素 / トマト萎凋病 / ワクチン / 病害虫抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、今のところ有効な防除法がないウイルス病や土壌病害、およびアブラムシ等の害虫に対して抵抗性のある安心・安全なワクチン苗を開発することを目的とする。植物の幼苗を茎(胚軸)で切断し2本鎖RNAを含む水溶液に浸すことで、2本鎖RNAを直接植物体に導入すると同時に発根を促し、植物にRNA干渉による病害抵抗性を付与したワクチン苗を開発する。もしくは植物体内に直接導入した2本鎖RNAを取り込んだ害虫や病原菌をRNA干渉によって弱毒化・無毒化もしくは殺虫する苗を開発する。社会実装を見据えて、挿し木苗が容易に作成でき商品価値が高いトマトに病害虫抵抗性を付与した苗を生産することを目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、2本鎖RNAを作物の苗に直接導入し病原体に対してRNA干渉を誘導する手法で、土壌病害に対して抵抗性のある安心・安全なワクチン苗を開発することを目的とする。2本鎖RNAの植物体への直接導入法については、蛍光(Cy3)標識2本鎖RNAの挙動を蛍光顕微鏡でモニターする実験系を確立し、トマト幼苗の根から吸収した2本鎖RNAが全身に移行することを確認した。トマト道管内で増殖するトマト萎凋病菌に対するワクチン苗作出を目的に、トマト萎凋病菌の増殖や病原性に関与する2種類の遺伝子の2本鎖RNAを処理することによりトマト萎凋病菌の胞子形成が阻害されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、トマトを研究対象として2本鎖RNAの有効性を検討するが、トマトで有効性が確認できれば、ナス、サツマイモ、メロンなど多くの食用植物に対して応用が可能である。また、トマト萎凋病菌は、バナナの新パナマ病の病原菌と同様、フザリウム菌(Fusarium oxysporum)により引き起こされる土壌病害である。今回の2本鎖RNA直接導入法の有効性が証明されれば新パナマ病の防除法としての応用・利用につながる。遺伝子組換えDNA技術に頼らない本研究提案は、研究成果が得られれば社会に受け入れられる可能性が高い革新的技術となることが期待される。
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