研究課題/領域番号 |
19K22311
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宗 知紀 九州大学, 農学研究院, 助教 (90221340)
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研究分担者 |
山内 伸彦 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00363325)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 核移植胚 / 非侵襲 / 糞 / フィルター法 / 除核 / 除核法 / ウシ代用 / ネコ / 体細胞クローン / ドナー細胞 / 卵母細胞 / 体外成熟 / クローン胚作製 / 野生動物の保全 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請者の目的は、小型野生ネコ保全の手段としての体細胞クローン作製技術を開発することにある。しかし絶滅危惧種である小型野生ネコから細胞を採取する際には非侵襲的であることが絶対的に必要となる。そこで本申請研究では、近縁種であるイエネコをモデルとし、非侵襲的なドナー細胞として糞由来細胞に着目した。また、去勢で不要になった卵巣より卵胞を採取して成長培養し、クローン胚作製のレシピエントに利用する。このように野生ネコ保全のための基礎研究として、糞由来細胞と不要になった卵巣を利用したイエネコのクローン胚作製法を確立し、その後の発展的研究に寄与しようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は小型野生ネコ保全の手段としての体細胞クローン作製技術を開発するため、その基礎的情報を収集することを目的としている。非侵襲的なドナー細胞の採取のため糞あるいは尿の利用を検討した。ネコの糞及び尿あるいは牛の尿からの体細胞が採取可能であり、2重フィルター法で効率よく得られることが示された。レシピエントとなる卵母細胞は動物病院のネコの避妊手術による廃棄卵巣から得られた。正常で良好な卵母細胞を成熟させ、薬剤処理で容易に除核することが確認できた。コロナ禍のため、ウシ卵巣を代用してマニュピレータ操作の手技を向上することができた。その結果、卵丘細胞をドナー細胞に用いて核移植を行い、卵割まで観察できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
繁殖力が衰えた絶滅危惧種の個体数を増やすという点では体細胞クローン動物作製技術が有効である。本研究では絶滅危惧小型野生ネコの繁殖のためドナー細胞を非侵襲的に得られるイエネコの糞から、レシピエントとなる近縁種のイエネコの卵巣を動物病院の廃棄卵巣から採取して体細胞核移植卵作製の可能性を試みた。 その結果、糞由来の体細胞を効率よく単離する方法は2重フィルター法が有効であることと、卵巣から得られる卵丘卵母細胞複合体の選別法及び成熟卵母細胞から効率よく除核する方法を見出した。このことより小型野生ネコから非侵襲的にクローンを作製する糸口が示され、絶滅危惧種の、特に老齢化した個体の増殖に貢献できる。
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