研究課題/領域番号 |
19K22314
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
鈴木 章弘 佐賀大学, 農学部, 教授 (50305108)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 薬用植物 / カンゾウ / 根粒菌 / 共生 / 窒素固定 / グリチルリチン / 機能性成分 / グリチルリチン酸 / 根粒 / 菌根菌 |
研究開始時の研究の概要 |
高等植物の二次代謝産物は,環境ストレスがかかった場合に高生産になることが多く,カンゾウにおけるGLの生産にもそれが当てはまる。ところが今までのカンゾウ栽培は,ストレスを排除した方法で行われており,高バイオマスと高GL含量のトレードオフには注意が払われて来なかった。ところで,申請者は今までに,微生物の共生効率を高めるとカンゾウの成長が促進する,微生物共生を促進させるとGL含量が高まる,という2つの結果を得ている。本研究では今までの考え方を180°転換し,カンゾウ栽培に積極的にストレスを導入することで高バイオマスと高GL含量のトレードオフを解消して,それらの両立を可能とする栽培条件を決定する。
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研究成果の概要 |
薬用植物であるウラルカンゾウは,様々な機能性を示すグリチルリチン酸を生産する。またこの植物はマメ科であるため根粒菌との共生関係を確立することができる。この研究ではウラルカンゾウへ感染する根粒菌 Mesorhizobium sp. J8を単離してその接種効果を調査した。その結果,J8を接種したウラルカンゾウでは,非接種のものと比較して地上部の成長が旺盛になり,葉の緑度を示すSPAD値も有意に高くなった。さらに地下部におけるGL生産も非接種と比較して約3.2倍にまで上昇した。これらの結果は,根粒菌の接種がウラルカンゾウの生産に有利に働くことを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生薬としてのウラルカンゾウの大部分は自生種を採集して調達されているが、ほぼ100 %が中国からの輸入であり、価格の高騰や供給不安などから国内栽培が推奨されている。また,ウラルカンゾウはその機能性ゆえに多くの漢方薬に配合されており、我が国は今後もウラルカンゾウの大消費国であり続けると予想される。今回の研究成果は,根粒菌の接種によってウラルカンゾウの成長が促進され,機能性成分のグリチルリチン酸の合成まで活性化されることを示すものであり,実際の栽培に適用できることになればそのインパクトは非常に大きなものとなる。
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