研究課題/領域番号 |
19K22327
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
吉田 誠 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30447510)
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研究分担者 |
大津 厳生 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60395655)
片山 葉子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 客員研究員 (90165415)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 硫黄固定 / 真菌類 / 硫黄代謝 / 硫化カルボニル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、真菌類における新規な硫黄獲得経路の存在を証明し、その全貌を明らかにする極めて挑戦的な研究である。ごく最近、代表者と分担者の共同研究において、糸状菌が気体状の硫化カルボニル(COS)を出発物質とした新規硫黄獲得経路を有する可能性を見出したことから、我々は「糸状菌には大気中の気体状硫黄化合物を硫黄固定する能力が備わっている」という仮説を立てた。そこで本研究課題では、我々がCOS高分解菌として土壌から単離したTrichoderma sp.THIF08株を用い、網羅的硫黄含有化合物のメタボロミクス、トランスクリプトミクス、遺伝子ターゲティングにより、上記の仮説を3年間の期間内に立証する。
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研究成果の概要 |
真菌類は森林生態系において多様な役割を果たすと同時に、木材の主要な微生物劣化の原因となるため、真菌類の生理学的な知見を蓄積することは重要である。一般に、糸状菌の生理学的研究は炭素源や窒素源の獲得に着目したものが主流であり、ミネラル類についての知見は少ない。本研究では、ミネラル類の中でも豊富に存在する硫黄に焦点を当て、真菌類の硫黄獲得経路の一つに気体状の硫黄化合物を硫黄固定する経路が関わるという仮説を立て、それを支持する知見を得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、真菌類が硫黄を栄養源として獲得するための経路の一つに、気体状の硫黄化合物である硫化カルボニルという化合物を利用する経路がある可能性を見出した。これは気体状の二酸化炭素を利用して炭素を獲得する炭素固定である光合成、細菌類の一部が気体状の窒素を獲得するために行う窒素固定に次ぐ新たな生物的固定プロセスの発見にも繋がるものである。
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