研究課題/領域番号 |
19K22328
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
矢澤 良輔 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (70625863)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 性判定 / マサバ / 超音波 / 性特異的SNPs / 養殖親魚 / 成熟度判定 / 超音波画像診断 / 早期性判定法 / サバ類養殖 / サバ類 / 超音波検査 / 雌雄判定 / サバ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、超音波による断面像上の生殖腺の形状の雌雄差に着目し、目視による人間の判断で性判定する技術を確立することを目指すが、大量の画像データとその個体に対応する性別および成熟度に関する各種のデータを蓄積、統合することにより、人間の目視では判定できないような僅かな差を持つ画像上の複数のパラメーターを総合的に解析し、性判定のみならず成熟度判定、ひいては質の良い卵を産む親魚を自動的に判別する技術の開発に資するデータとして有用である。良質の卵を生産するメス親魚を高効率、高精度かつ低コストで選別し、優れた種苗を安定的に生産するための、広く水産利用可能な技術に昇華することを目指す。
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研究成果の概要 |
生殖腺の形態により性別が判明しているマサバの超音波波画像を集積し、生殖腺画像の特徴を解析することにより、満1歳以上のマサバにおいて、正答率95%以上で性別の判定が可能となった。しかし、若齢個体では超音波による判定は困難であったため、性特異的なSNPsを利用し性特異的に増幅可能なPCRプライマーセットを開発した。これらのプライマーを用いて様々な個体で性判別PCRを行ったところ、プライマー1ではオス98.5%、メス100%、プライマー2ではオス100%、メス96.4%であった。以上の結果から、超音波画像診断および分子情報を用いた性判定により親魚集団中のメス親魚の割合を自由に制御することを実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において開発された技術により、生殖腺の形態の性的二型およびその発達度合いを指標に超音波画像診断が可能となった。さらに、成熟度合いに依存しない分子情報を用いた性判定についても可能となり、当初の目的であった親魚集団中のメス親魚の割合を自由に制御することを実現した。将来的には、これらの技術を複合的に用いることで、メス親魚の成熟度の判定について情報を蓄積し、良質な卵を産む親魚を判別する技術の開発についても期待される。近年サバの養殖が日本各地で盛んになっており、本研究の成果はただちに養殖現場で利用可能な技術であり、より高度なサバ養殖技術の発展に寄与するものである。
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