研究課題
挑戦的研究(萌芽)
「妖精が輪を作ってその中で踊る」と伝えられてきたフェアリーリングについて、研究代表者らがフェアリーリングという未解明な生命現象を説明する分子群をキノコから発見したことで、その謎解きに終止符が打たれた。一方、フェアリーリング上でキノコが発生する際には、芝からの化学シグナル(子実体形成物質)が分泌される可能性があるが、その分子は全く不明である。本研究では、フェアリーリング形成菌を芝に人工的に感染させ、その感染過程の2次代謝産物・遺伝子を解析し、感染から子実体発生に至る分子機構の解明を試みる。以上の研究を行うことによって、フェアリーリング病の「本質」を明らかにする。
「妖精が輪を作ってその中で踊る」と伝えられてきたフェアリーリングについてフェアリーリングという未解明な生命現象を説明する分子群をキノコから発見したことで、その謎解きに終止符が打たれた。本研究では、コムラサキシメジとシバとの共存培養により、両者の成長が促進されることが明らかになっている。そこで、まずはシバの成長促進の要因となっている遺伝子を同定することを目的として、コムラサキシメジとの共存によって、シバで発現が変動する遺伝子をRNA-seqによって解析した。また、フェアリー化合物の産生量が多い条件では一酸化窒素合成酵素(NOS)遺伝子の発現が上がることが明らかになっている。
キノコに関わるホルモンあるいは作用機構を明らかにできれば、天然物化学・基礎生物学等における学術的成果は極めて大きい(Nature,Science に掲載可能)。また、キノコの発生を人為的に制御(一日当たりのキノコ発生量を制御)することは現時点では不可能である。キノコの発生を自由に促進あるいは抑制することができれば商業的キノコ栽培に対する貢献は大きい。加えて、これまで不可能であったトリュフやマツタケの人工栽培への道を開き、産業、社会に与えるインパクトも極めて大きい。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件) 備考 (3件)
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