研究課題/領域番号 |
19K22344
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中嶋 康博 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (50202213)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 食選択 / 外部化 / 簡便化 / 食の価値 / WEBアンケート / Best-Worst Scaling / WEB調査 / 新型コロナウイルス / 行動経済学 / 心理的財布 / グループインタビュー / 米消費 |
研究開始時の研究の概要 |
食品の選択は、教科書的な単純なモデルでは説明できない。対象となる品目数の多さと購買頻度の高さのために、日常生活の中では時間を掛けず、他の商品の購買計画を変更しないようにできるだけ安い商品を選びがちである。そこで、本研究では、食行動の本質を的確にモデル化するため、食は「生きるための食」(A食)と「楽しむための食」(B食)の2種類から構成されるというモデル(二元論的枠組み)を提示し、グループインタビュー、WEB調査、POSデータによる検証を行う。さらにそのモデルを踏まえて、食品産業のマーケティング戦略と地域の農産物ブランド戦略のあり方について考察する。
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研究成果の概要 |
日常生活な食事のあり方は戦後大きく変容し、社会の成熟化によって時間の機会費用が上昇するのにともない、全般的に食の外部化・簡便化が進んできた。現代の食選択の背景には、食材の吟味、調達や調理のための手間、食事摂取に費やす時間といった要因が複雑に影響を与えている。 本研究では、食事の準備に「手間をかける」「楽しむ」という人や場面が存在することを踏まえ、「生きるための食」(A食)と「楽しむための食」(B食)という2つの視角を設定し、大規模WEB調査を実施し、食事の場面ごとに現れる人々の態度や認識を、「食の価値(food value)」の観点から明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
消費者の日常的な食行動や食品企業の商品戦略などで観察される、食品の安価志向やブランドの乱立などの定型化された状況を解明するため、「生きるための食」(A食)と「楽しむための食」(B食)という視角から食選択が二元論的に行われるという新たなモデルを検討した。その概念枠組みの下で「食の価値」視点に基づきながら、食行動をめぐる態度や認識に関して多角的な評価を行った。このモデルは、食品分野のマーケティング手法、食を利用した地域振興のあり方、公的に支援すべき食の対象の明確化といった政策論に新たな知見を提供することが期待される。
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