研究課題/領域番号 |
19K22345
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 道生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (10647655)
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研究分担者 |
鈴木 庸平 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00359168)
アーサン ナズムル 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (00422345)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | バイオミネラリゼーション / 黄鉄鉱 / ウロコフネタマガイ / パイライト / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
黄鉄鉱ナノ粒子を合成したという報告は数多いが、再現性および安定性の面から実用化は困難であった。応募者らはウロコフネタマガイが特定の生体高分子タンパク質と黄鉄鉱ナノ粒子が共に含まれることに着目し、市販のタンパク質を用いて水系の溶液で非常に効率よく粒径の揃った黄鉄鉱ナノ粒子を合成することに成功した。本研究ではウロコフネタマガイ由来のタンパク質を組み換え体として準備し、より粒径の小さい黄鉄鉱ナノ粒子を、高効率で大量に合成する手法を検討し、太陽光発電のデバイス開発に応用する。
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研究成果の概要 |
熱水噴出孔に生息するウロコフネタマガイは硫化鉄(greigiteとpyrite)から成る黒い貝殻と鱗を有している。硫化鉄は蓄電池や太陽光発電に有望な材料として期待されているが、合成が困難なことで知られている。ウロコタマフネガイの貝殻の硫化鉄層からヘムタンパク質を同定し、in vitroの水溶液の実験系に用いたところ、80℃でpyriteの球状のナノ粒子を合成可能であることを見出した。この結果は、環境に優しく副産物も少ない系でpyriteナノ粒子を合成可能であることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
黄鉄鉱は蓄電池や太陽光発電の材料に期待される材料で、鉄と硫黄というありふれた元素から構成され、安全性も高く環境に優しい素材として期待されている。しかしながら、合成が困難なことから工業的には利用されていない。黄鉄鉱ナノ粒子を温和なの生理条件で合成可能なウロコフネタマガイ由来の生体分子を応用して効率的に安定した黄鉄鉱ナノ粒子を合成する手法を開発した本研究は、持続可能な社会の構築に向けて重要な成果であると言える。
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